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2019年のセキュリティ製品およびサービスの総支出額は全世界で1066億ドルに達する、IDC調査

 IDC Japan株式会社は7日、世界のセキュリティ関連ハードウェア、ソフトウェア、サービスの支出額に関する予測を発表した。

 世界のセキュリティ支出額をレポートする「Worldwide Semiannual Security Spending Guide」の新しい予測によると、2019年のセキュリティ関連ハードウェア、ソフトウェア、サービスに対する全世界の支出額は、前年比10.7%増の1066億ドルとなる見通しだとしている。この支出額は2023年には1512億ドルに達し、2019年から2023年までの年間平均成長率は9.4%と予測している。

「サイバーセキュリティ製品市場は成長を続けています。信頼に対する経営幹部レベルの強い関心が、この成長をさらに加速させる要因となっています。今日の新たな信頼環境では、セキュリティ、リスク、コンプライアンスに関する従来の概念に加え、プライバシーや倫理的な事業運営といったコンセプトが導入されています。信頼という問題に対し、関係性(B2B、B2C、B2E、G2C)や交流属性(人間、テクノロジー、企業、文化、プロセス)を考慮した対応が行われています。信頼の実装は複雑な作業です。そのため、サイバーセキュリティベンダーに明らかな商機があります」と、米国IDC Cybersecurity Products  プログラムバイスプレジデント フランク・ディクソンは述べています。

 2019年のセキュリティ支出額の中で、最大のシェアを占める分野はサービスで、マネージドサービス、コンサルティングサービス、IT教育/トレーニングに470億ドル以上が費やされると予測。サービスは最も急速な成長が見込まれる分野でもあり、5年間の年間平均成長率は11.2%と予測している。

 2019年に支出額が2番目に大きい分野はソフトウェアで、エンドポイントセキュリティソフトウェア、アイデンティティ/デジタルトラストソフトウェア、およびセキュリティアナリティクス、インテリジェンス、レスポンス/オーケストレーションソフトウェアなど、広範囲に及ぶ製品に約380億ドルが支出されると予測。ハードウェア支出額は210億ドル以上と予測し、その大部分がネットワークセキュリティ製品に費やされるとしている。

 2019年から2023年において、セキュリティソリューションに対する支出額が最も多い業種は銀行となり、次いで組立製造業、連邦/中央政府の順となると予測。これら3つの業種を合わせると、全世界のセキュリティ総支出額の約30%を占めるとしている。さらに、これら3つの業種では、いずれもマネージドセキュリティサービスおよびインテグレーションサービスに支出額のかなりの部分(35%以上)が充てられる見通しだとしている。

 技術カテゴリー別では、2019年に最大の支出が見込まれるカテゴリーはマネージドセキュリティサービスの210億ドル以上で、2番目に大きいカテゴリーはネットワークセキュリティハードウェアと予測。3番目と4番目に大きい投資カテゴリーは、インテグレーションサービスおよびエンドポイントセキュリティソフトウェアと予測している。

 予測期間中に、最も高い成長率が見込まれる技術カテゴリーはマネージドセキュリティサービス(年平均成長率13.9%)、セキュリティアナリティクス、インテリジェンス、レスポンス/オーケストレーションソフトウェア(同10.5%)、コンサルティングサービス(同9.3%)と予測している。

 地域別では、セキュリティソリューションの最大の市場は米国であり、2019年の支出額は462億ドルに達すると予測。組立製造業と連邦政府の2つが、米国における総支出額の20%近くを占める見通しだとしている。2番目に大きい国別市場は中国で、省/地方政府、通信、銀行の3つが中国における総支出額の47%を占める。その次にセキュリティ支出額が大きい市場は、英国およびドイツと予測され、それぞれ銀行および組立製造業がリードするとしている。