ニュース
NECの2019年度第2四半期連結業績、全セグメントで増収増益に 期初の社内想定値を上回る増益を実現
2019年10月30日 06:00
日本電気株式会社(以下、NEC)は29日、2019年度第2四半期(2019年4~9月)の連結業績を発表した。
売上収益は前年同期比8.4%増の1兆4490億円、調整後営業利益は前年同期から367億円増の554億円、税引前利益は前年同期から243億円増の461億円、調整後当期純利益は前年同期から224億円増の343憶円となった。
NEC 代表取締役執行役員社長兼CEOの新野隆氏は、「上期は、好調な事業環境を背景に、その他事業を除いて全セグメントで増収・増益を達成した。社内の想定値に対しては、売上収益で800億円、調整後営業利益で150億円の上振れとなり、セグメント別ではパブリックやシステムプラットフォームを中心に上振れをした。これは、昨年実施した構造改革の効果が予定通り出ていることに加え、国内事業の受注が好調に推移した結果と見ている。また、上期でグローバル事業が黒字化できたことは、今後の大きな自信になると考えている」と総括した。
なお、上期の構造改革効果は合計150億円となり、そのうち、特別転進支援施策で91億円、海外拠点の効率化など、その他の施策で58億円となった。
セグメント別業績では、パブリックの売上収益が前年同期比4.4%増の4181億円、調整後営業利益は前年同期から134億円増の263億円。日本航空電子工業が減収となったものの、社会公共領域と社会基盤領域がともに増加した。また、自治体向けITサービスや航空宇宙・防衛領域などの売上増により増益となった。特に、自治体や中央官庁、医療機関、放送局向けを中心に好調が持続しているという。
エンタープライズは、売上収益が前年同期比11.8%増の2349億円、調整後営業利益は前年同期から15億円増の175億円。「特殊要因として、Office 365を中心としたライセンス商流変更による影響が約150億円計上されているが、これを除いても金融業向けの増加などにより4%の増収となっている」とした。
ネットワークサービスは、売上収益が前年同期比11.0%増の2256億円、調整後営業利益は前年同期から66億円増の116億円。5G導入を見据えた固定ネットワークの整備が活発化したことに加え、子会社のNECネッツエスアイの増加、ITサービス領域の増加などにより増収となった。
システムプラットフォームは、売上収益は前年同期比16.7%増の2637億円、調整後営業利益は前年同期から158億円増の208億円。「企業向けPCやサーバーを中心としたハードウェアが増加したことなどにより増収となった。特に、Windows10への切り替え需要の拡大によって、企業向けPCが大きく伸長した。また、構造改革効果に加え、大幅な売上増によって利益も改善した」という。
グローバルは、売上収益が前年同期比23.3%増の2436億円、調整後営業利益は前年同期から36億円改善し、9億円の黒字となった。「売上収益は、KMDの新規連結によるセーファーシティの増加、および海洋システムの増加などにより増収。利益については、セーファーシティ、サービスプロバイダソリューション、ワイヤレスソリューション、海洋システムの収益性が改善したことで、上期での黒字化を達成した」としている。
その他事業は、売上収益が前年同期比36.3%減の631億円、調整後営業利益は前年同期から14億円増の65億円となった。
2019年度の業績見通しは、4月26日公表値を変更せず、売上収益は前年比1.3%増の2兆9500億円、調整後営業利益は前年同期から551億円増の1250億円、調整後当期純利益は前年同期から271億円増の740億円とした。
「上期業績は、社内想定値からは上振れしたが、将来の収益性改善、成長に向けての追加投資、体質改善に向けた施策を検討していくため、業績予想は据え置きとした。その中で、社内想定値については、通期計画に対しても上振れを目指す」との考えを示した。