ニュース

NTT Com、サブスクリプションビジネスの迅速な立ち上げを支援するクラウドサービスを提供

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、サブスクリプションビジネスを始める事業者向けに、サービスの運用に必要な機能を一元的に提供するSaaS「Subsphere(サブスフィア)」を9月30日より提供開始した。

 NTT Comでは、データによる企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に必要なすべての機能をワンストップで提供する「Smart Data Platform」を中核として、データ利活用ビジネスを推進している。

 今回提供開始されたSubsphereは、サブスクリプションビジネスを行うために必須となる、顧客管理、契約管理や課金・請求管理などの基本機能を備えており、手間なく迅速にビジネスを開始できるサービス。Smart Data Platformとの連携によってデータ利活用を実現するアプリケーション群「Apps on SDPF」のひとつに位置付けられている。

 具体的なラインアップとしては、「TypeA(powered by Smart Billing)」「TypeB(powered by Bplats)」の2種類が用意された。

 このうちTypeAでは、サブスクリプションビジネスを行うために必須となる基本機能に加え、複雑な料金設定や既存システムとの連携機能も提供する。定額制や従量制、あるいはその組み合わせなど、複雑なプライシングやその変更が可能で、通信サービスの提供で培ったNTTグループのノウハウを生かし、キャンペーン割引や料金の請求先を分割するといった、さまざまなニーズに対応できるという。

 また、APIやCSVファイルによる連携機能を標準で備えており、既存システムの活用が容易とのこと。

 NTT ComではTypeAの利用例として、顧客データベースなどの基幹システムをそのまま使いながら、既存のサービスをサブスクリプション化したい場合などに適していると説明している。

 価格(税別)は、初期費用が400万円から、月額料金が20万円から。

 一方のTypeBは、サブスクリプションビジネスを行うために必須となる基本機能を提供するもの。オンラインストアや会員向けページなど、顧客接点を立ち上げることが可能な「フロント機能」、仕入れ先や販売パートナーとのデータ連携を可能にする「商流管理機能」を備えているほか、システム連携機能もオプションサービスとして提供されるという。

 NTT Comによれば、新規にビジネスを立ち上げるため、仕入れ先や販売パートナーなどのサプライチェーン構築や、オンラインストアや会員向けページなどの販売チャネルの作成も必要な場合などに適しているとのことだ。

 価格(税別)は、初期費用が150万円から、月額料金が15万円から。

 なお両プランとも、利用するサーバーを日本国内のみに限定しているため、法制度上の理由などから国内でデータを保管する必要があるケースに対応できるほか、海外のサーバーを利用するサービスに比べ、接続の遅延を抑えられるとした。

 また今後は、NTTグループのサービスやソリューションを組み合わせることで、Subsphereの機能強化を図る考え。例えば、SubsphereとNTT ComのIoTプラットフォーム「Things Cloud」を連携させることによって、モノの稼働状況を把握する機能や、稼働状況に応じた柔軟なプライシング機能の開発などを行っていくとしている。