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TIS、コールセンターの一次対応をAIで支援する「電話自動応答サービス」

 TIS株式会社は10日、音声・対話AIサービス「COET(コエット)」のラインアップに、音声対話AIを活用した月額課金型クラウドサービス「電話自動応答サービス」を追加すると発表した。

 「電話自動応答サービス」は、株式会社コムデザインのクラウド型CTI「CT-e1/SaaS」と連携させ、コールセンターや企業内ヘルプデスクに導入する月額課金型のクラウドサービス。TISがチャットボットやスマートスピーカーの開発で培った、自動対話や音声応答といった技術を活用し、コールセンターなどの一次対応を音声対話AIに代行させることができる。

 具体的には、「用件を聞いて適切な担当者に転送する」「一問一答型FAQの回答を返す」「利用者にいくつか質問をして簡単なトラブルシューティングを行う」といった音声対話シナリオを、簡単な操作で作成可能。また、音声対話AIが人の言葉を聞き取るため、プッシュトーン型IVRで不満が出やすい「長いアナウンスを毎回聞かされる」「自分の用件がどのメニューにあたるかが分からない」といった問題点を軽減できるという。

 さらにCT-e1/SaaSとの連携で、音声対話AIとプッシュトーンの相互切り替え、対話中の割り込みによるオペレーター転送、ボイスメール切り替えなどが行えるため、環境的に音声認識が難しい場合や、FAQにない質問が出た場合でも、状況に応じた柔軟な対処が可能とした。

 こうして、音声対話AIが人の言葉を聞き取って、担当窓口への取り次ぎやFAQの回答を自動的に行うことにより、オペレーターの1コールあたりの応対時間短縮や、有人窓口へのコール件数削減など、業務の効率化が図れるという。また自動応答のみで完結できる業務では、夜間や休日も電話受付が可能になるなど、利用者の利便性向上も実現するとのこと。

 なお、クラウドサービスとして提供されるので、インターネット接続環境があれば短期間で利用開始できる点もメリット。標準機能を低価格で利用できるマルチテナント型プランと、機能やシステム構成のカスタマイズが可能な専有環境型プランから選択でき、前者であれば申し込みから通常1~2週間で利用開始できるとしている。

 料金は、マルチテナント型プランの場合、回線数やコール数に応じた月額課金の価格体系となっており、5回線/月間1000コールの場合で、初期費用30万円(税別)、月額費用12万5000円(税別)。専有環境型プランは個別見積もりとなる。

 TISでは、コールセンターや企業内ヘルプデスク向けに展開し、2021年までに200社への導入を目指す考えだ。