国内エンタープライズストレージ市場はSoE/SoI向けが下支えする――、IDC Japanがシステムタイプ別予測を発表

　IDC Japan株式会社は9日、国内エンタープライズストレージシステム市場のシステムタイプ別予測を発表した。

　IDCではシステムタイプを、「SoR（Systems of Record）」「SoE（Systems of Engagement）」「SoI（Systems of Insight）」「システム基盤プラットフォーム」「機器／装置制御システム」の5つに分類。

　それらのセグメントを、「SoR」、「SoE」および「SoI」を合算した「SoE/SoI」、「システム基盤プラットフォーム」と「機器／装置制御システム」を合算した「Other」の3つのカテゴリに分け、エンタープライズストレージシステム市場の予測値を提供している。

　今回のシステムタイプ別予測の対象となった、エンタープライズストレージシステムの2018年の国内市場全体での支出額は、前年比4.2％増の1808億6100万円。また市場全体の支出額は、2018年～2023年の5年間における年間平均成長率（CAGR）がマイナス0.3％で推移し、2023年の規模を1779億1900万円と予測している。

　これに対してシステムタイプ別では、SoRが前年比1.6％減の869億8500万円、SoE/SoIが同13.9％増の270億2,900万円、Otherが同8.9％増の668億4800万円となった。そして、それぞれの2023年の規模を、SoRが891億4700万円（CAGRは0.5％）、SoE/SoIが314億8100万円で（CAGRは3.1％）、Otherが572億9100万円（CAGRはマイナス3.0％）と見込んでおり、SoE/SoI向けが比較的高い成長を続け、市場全体を下支えすると指摘している。

　また、SoRに比べてSoE/SoIのクラウド化（パブリッククラウド／プライベートクラウド）が進むとも予測した。これは、SoE/SoIでは、クラウドが持つ俊敏性、柔軟性、拡張性などの特徴がより強く求められるためで、2023年における国内エンタープライズストレージシステムのクラウド比率は、SoR向けでは22.4％にとどまるものの、SoE/SoI向けでは41.4％に達すると予測している。

　なお今回の予測では、サーバー内蔵型ストレージなど、サーバーとの間でダブルカウントが発生するストレージを除いた、外付型エンタープライズストレージシステムとODM DirectのStorage Expansion（増設装置）が対象となった。