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さくらインターネット、新たなデータに対応した衛星データプラットフォーム「Tellus 1.1」を提供

開発環境のアップデートなども実施

 さくらインターネット株式会社は28日、クラウド上で衛星データの分析ができる衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」において、新版「同 バージョン1.1」を提供したと発表した。データ追加を実施したほか、開発環境のアップデート、エリア通知機能の追加などを行っている。

 Tellusは、さくらインターネットが経済産業省の「政府衛星データのオープンアンドフリー化・データ利活用促進事業」を受託し、開発・運用に取り組んでいる衛星データプラットフォーム。

 衛星データのみならず、衛星データを扱うさまざまなツールの提供、アプリケーションなどの開発環境、衛星データ活用のためのトレーニングおよび衛星データコンテストなどの教育コンテンツ、衛星データを活用するためのドキュメントを提供するオウンドメディアなど、さまざまな機能から構成されている。

 今回の新版では、まず、地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」、ASNARO-2のSAR(合成開口レーダー)画像データ、株式会社ブログウォッチャーのプロファイルパスポート(位置情報データ)などのデータを追加した。

 このうちRESASは、産業構造や人口動態、人流などの官民ビッグデータを集約・可視化するシステムで、地方創生のさまざまな取り組みを情報面から支援するために、経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が提供しているという。現在は、各都道府県の農業関連の地域統計データを閲覧でき、今後は、漁業、林業、観光などのデータを順次追加するとした。

 また、ASNARO-2が観測したSAR画像(東京、大阪、名古屋周辺200シーン)が追加された。光学画像のASNARO-1と比較できるほど高分解能(解像度1~2メートル)なSAR画像データで、雲を透過して地上の様子を観測できる。なお、ASNARO-2のSARデータは、クラウド上でのオープン&フリー化としては世界初になるとのこと。

ASNARO-2のSAR画像データ(オランダ ロッテルダム港付近)

 プロファイルパスポートは、スマートフォンの位置情報データプラットフォームで、ユーザーの許諾が取れている位置情報データを活用して、人の移動の流れを時系列に確認できる。今回利用可能になったのは、東京近郊エリアのデータ。期間は2016年7月~2017年9月に限られるが、メッシュ内の人の多さをヒートマップで可視化できるとしている。

 2つ目の開発環境については、これまで提供していたデータ分析ツール「Jupyter Notebook」を、後継である「Jupyter Lab」へアップデート。Pythonに加えて、R言語を利用できるようにしている。

 3つ目の新機能であるエリア通知機能は、任意の地域を設定し、その地域のデータが追加されるとメールでユーザーに通知を行うものだ。