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さくらインターネット、クラウド上で衛星データを無料で活用できる「Tellus」を運用開始

 さくらインターネット株式会社は21日、経済産業省の「平成30年度政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業」の受託企業として、クラウド上で衛星データの分析ができる日本初の衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」の運用を開始した。

 Tellusは、さくらインターネットが所有する大規模なストレージを生かし、分析・解析などに必要なコンピューティングを備えた衛星データプラットフォーム。

 さくらインターネットでは、これまで日本では政府衛星データは一般的に利用しやすい環境にはなく、衛星データの加工には高い専門性や高価な処理設備・ソフトウエアが要求されることから、産業利用は限定的な状況だったと説明。Tellusは、こうした企業や個人の衛星データ利用への参入障壁を取り除くことを目的に、衛星データおよびその分析・アプリケーションなどの開発環境を無料で提供する。

 データとしては、クラウド上でのオープン&フリー化としては世界初となる、ALOS2、ASNARO-1といった衛星データやその他の地上データを搭載。今後は衛星データに加え、気象、人流などの地上データを順次搭載していく。

 また、衛星データや衛星データを扱うさまざまなツールの提供のほか、アプリケーションなどの開発環境、衛星データ活用のための教育コンテンツ、さまざまなドキュメントを提供するオウンドメディアといった機能を備える。

 日本国政府は「宇宙産業ビジョン2030」において、「2030年代早期に宇宙産業全体の市場規模(現在1.2兆円)の倍増」という目標を掲げており、さくらインターネットではその目標に向かって、新規ビジネス創出や既存ビジネスに新たな価値を与えようと考えている人に、最小のリスクで何度でも挑戦できる場としてTellusが利用されるよう、今後も随時Tellusのアップデートを行い、より魅力的なプラットフォームにすべく尽力するとしている。

衛星データの可視化ツールの画面イメージ