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日立、「IT運用最適化サービス」でAIを活用した「システム稼働分析」をクラウドサービスとして販売

 株式会社日立製作所(以下、日立)は26日、IT運用の継続的な改善を支援する「IT運用最適化サービス」において、従来から顧客環境に構築して提供しているAIを活用したIT運用の自律化支援を、新たにクラウドサービスとして販売開始すると発表した。

 日立では、システム状況の分析・判断や可視化など高度なスキルが必要なIT運用業務について、AIを活用した自律化支援を2018年8月より開始し、これまでに金融、公共、社会インフラなどさまざまな分野の企業と、AI適用の効果検証や本番環境への導入に取り組んできた。サービスではこれらで培ったノウハウを用いて、運用場面ごとの業務の自律化を促進するAI分析機能などを提供している。

 今回、AI導入のさらなる容易化に向け、IT運用向けAI基盤を顧客の準備した環境に構築して提供している「AI for IT Operations - Platform」に加えて、クラウドサービス「AI for IT Operations - Service」を新設し、クラウドサービスの第一弾として、顧客からのニーズが高い「システム稼働分析」を提供する。

 システム稼働分析は、エンジニアが多くの工数を費やしているシステム稼働状況の定期レポート作成業務の自動化を支援するサービス。膨大な稼働データの整理や傾向分析、問題の特徴抽出にAIを活用し、長期的・短期的な視点で分かりやすくシステムの稼働状況を見える化できるため、従来、高度なスキルをもつエンジニアが行ってきた定期的な業務の大幅な工数削減を可能とする。

 具体的には、顧客のシステム稼働状況を、分析対象期間において、時系列のグラフなどで可視化するとともに、通常時と異なる現象が発生した時間帯や抽出した根拠などをAIがさまざまな角度から分析し、特徴を具体的かつ分かりやすく文章化する。このため、エンジニアのスキルの差や、多忙時に起こるデータ見落としなどの人的なミスがなく、的確なレポートを自動で作成できるとしている。

 クラウドサービス化により、AI環境の準備の負担などから今まで導入を見送っていた顧客でも、システム稼動分析を容易に導入できる。サービスの提供開始は9月30日。価格は個別見積もり。

 また、従来のAI for IT Operations - Platformについては、運用担当者の負荷が大きいシステム監視におけるイベントのエスカレーション業務を支援する「イベント分析」を強化する。

 イベント分析は、システムの警告メッセージ発生時のエンジニア呼び出し要否判断など、イベント振り分け業務の自律化を促進できるシステムで、従来はAIが学習した運用マニュアルに応じたイベント判定を行っていたが、強化により、過去の対応記録を学習させることで、類似した対応を抽出し、過去と同様の判定を可能にする。

 これにより、運用マニュアルが未整備のシステムでもAIを導入可能となり、容易かつ迅速に自律化を始められる、また、必要に応じてAIを活用しながら対応記録データを蓄積し、それらをまとめることで運用マニュアル化を目指すことも可能としている。イベント分析の強化版は9月30日から提供開始。