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NTT Com、ソフトウェアPCルータ「Kamuee」を用いたSRv6の実証実験に成功

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は13日、イベント「Interop Tokyo 2019」のShowNetにおいて、高速ソフトウェアPCルータ「Kamuee(カムイー)」を用いたSRv6の実証実験に成功したと発表した。

 大容量通信を支える通信機器は、従来、パケット処理時に行う経路検索や、パケットを高速に転送する機能をハードウェアで設計・実装した専用機器の導入が必要となっており、その導入には数千万円規模の費用と、長期にわたる構築期間を要していたという。また、構成や設定の変更において柔軟性に欠ける課題があったとのこと。

 NTT Comでは、こうした課題を解決するため、PCなどでも利用される一般的なCPUを利用した高速ソフトウェアPCルータ「Kamuee」の開発を進めている。今回は、その「Kamuee」に、IPv6を用いてセグメントルーティングを実現するSRv6を追加実装し、サービスチェイニングの実現に取り組んだ。

 具体的には、Interop Tokyo 2019の会場内全域をカバーする独自の先進ネットワークであるShowNetにおいて、アプリケーションプロキシとして「Kamuee」を導入。SRv6での会場内トラフィックのサービスチェイニングを実現することで、自由な経路指定を可能にする基盤を支えたという。

 これにより、従来、SRv6をサポートしていないファイアウォール、UTMなどのネットワーク機能に対してもサービスチェイニングを提供可能になり、ネットワーク上に存在するさまざまな機能を、物理構成を変更することなくソフトウェアで柔軟かつ迅速に設定できるようになったとしている。

 なおNTT Comでは、こうして「Kamuee」がSRv6の導入に成功したことにより、サービスチェイニングによる柔軟なネットワークの実現に「Kamuee」が貢献できることが実証されたとアピール。コアルータとしてだけでなく、セグメントルーティング用のルータとしても「Kamuee」が導入されることで、より一層自動化・効率化に貢献することが期待されるとした。