ニュース

創夢、NTT ComのソフトウェアPCルータ「Kamuee」をベースとした商用サービスを開始

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、100GbEにも対応可能なソフトウェアPCルータ「Kamuee(カムイー)」のソフトウェア使用許諾契約を、株式会社創夢と締結したと発表した。創夢では「Kamuee」をベースとした商用ソフトウェアPCルータ「Eenow(イナウ)」を12月28日から提供開始する。

 Kamueeは、一般的なCPUを利用して、大容量通信のための専用機器と同等以上の性能を実現するソフトウェアPCルータ。NTT ComはこのKamueeを、Interop Tokyo 2018/2019、さっぽろ雪まつり2020などに導入し、実証実験を行ってきたという。今回はその商用サービス化を目指し、創夢とKamueeのソフトウェア使用許諾契約を締結。創夢が保守サービス等を負荷し、商用サービスのEenowとして提供する。

 Eenowの最初の案件としては、12月28日から、岡山理科大学の学内ネットワークに導入される。岡山理科大学は、インターネット上のすべての経路情報を高速に処理できる高機能で安価なコアルータの導入を検討しており、市販コアルータの調達も並行して検討しながら、ソフトウェアPCルータの可能性についても調査を進めてきた。

 2018年10月からは、NTT Comと学内ネットワークの一部にKamueeを導入する実証実験を開始し、段階的に導入の範囲を広げ、実用性の検証を行ってきたが、その結果、IPv4/IPv6デュアルスタックのフルルートを扱えること、安定的な運用が可能なことが実証できたため、今回、商用サービスとして提供されるEenowの導入を決めたという。

 創夢は今後、学術系やエンタープライズに対し、Eenowを販売する計画。一方NTT Comは、フルルート処理能力の向上や、ACLの対応、セキュリティ機能向上など、Kamueeのさらなる機能拡充、技術革新を進める考えで、両社は共同で、ソフトウェアルータの市場確立を目指すとしている。