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米Oracle、データベースマシンの新型「Exadata X8」発表 機械学習機能でDBチューニングを自動化

 米Oracleは12日(米国時間)、新たなデータベースマシン「Oracle Exadata Database Machine X8」(以下、Exadata X8)を発表した。強化されたハードウェアとソフトウェアを搭載するのみならず、独自の機械学習機能を備えている点が特長という。

 Oracle Exadataは、Oracle Exadata Database Machineは、サーバーやストレージ、InfiniBandスイッチなどのハードウェアと、Oracle Databaseや各種ミドルウェアなどのソフトウェアを組み合わせて最適化した、事前構成済みのデータベース専用マシン。

 今回の「Exadata X8」は、「Automatic Indexing」をはじめとする独自の機械学習機能を搭載している点が最大の特長。これは、使用パターンの変化を継続的に学習し、それに応じてデータベースをチューニングする仕組みで、Oracle Autonomous Databaseのテクノロジーに基づきプロセス全体が自動化され、データベースパフォーマンスが向上すると同時に、手動によるチューニングを不要にするという。

 また、自動化された新しいパフォーマンス監視機能も含まれており、AI、長年にわたる顧客の性能問題への対応経験、ベストプラクティスを組み合わせることで、パフォーマンスの問題を自動的に識別し、人的操作なしで根本原因を特定するとした。

 ハードウェアについても、パフォーマンスの向上を促進する最新のIntel XeonプロセッサとNVMeフラッシュ技術を活用。前世代の「Oracle Exadata X7」と比較して、オールフラッシュストレージのI/Oスループットは60%、ストレージサーバーあたりのIOPSは25%向上しているとのこと。

 なお「Exadata X8」のストレージサーバーは、Oracle Databaseの処理負荷を軽減するためにコア数が60%増加したほか、データの大幅な増加とデータベース統合をサポートするために、ディスク容量も40%増加している。これらの強化は価格据え置きで行われるため、Oracleでは、Oracle Exadataのコスト効率はさらに向上するとアピールしている。

 さらに、アクセス頻度が少ないデータの保存には、より低コストの新しい拡張ストレージサーバーを利用可能にした。すべての顧客データにおいて、アプリケーションの透過性、運用モデルの一貫性、ハイブリッド列圧縮(HCC)、全階層にわたる暗号化を含む同じセキュリティモデルなど、ExadataスケールアウトアーキテクチャとOracle Databaseストレージの利点を、Hadoopやオブジェクトストレージの価格で利用できるとしている。

 またOracleは同日、Oracle Databaseの保護に特化して設計されたエンジニアドシステムの最新製品「Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance X8」(以下、Recovery Appliance X8)の提供開始についても発表した。

 従来型のデータ重複排除アプリケーションよりも最大10倍速く、Oracle Databaseのデータ復旧を実行し、同時に全トランザクションの1秒未満のリカバリを可能にするという。さらに「Recovery Appliance X8」の容量は、価格据え置きで30%増量(1ラックあたり約1PB)されているとのことだ。