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日本オラクル、三越伊勢丹システム・ソリューションズと共同で「Oracle Exadata」を活用した顧客・商品データ分析基盤を刷新

 日本オラクル株式会社は7日、三越伊勢丹ホールディングスのグループ会社である株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズと共同で、オラクルの高速データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine(Oracle Exadata)」を導入し、三越伊勢丹グループ百貨店・クレジットカードの顧客データや商品データを一元的に管理する基盤を新たに構築支援したと発表した。

 三越伊勢丹システム・ソリューションズは、従来、データウェアハウス専用機を使用し分析用データの管理を行っていたが、高い保守・運用コスト、リソースの制約などが課題となっていたという。そこで、今後さらなる処理量の増大にも対応できるシステム基盤を新たに構築するため、データウェアハウス専用機からのデータ移行において、豊富な実績を有する「Oracle Exadata」の導入を決定した。

 システム選定にあたっては、従来のデータウェアハウス専用機と同等以上の処理速度が確保でき、ピークが最大化する日時のデータ検索量にも耐えうるOracle Exadataの高い性能を評価。また、従来機のサポートエンジニアと比較して、Oracle Databaseの知識を保有するエンジニアが三越伊勢丹システム・ソリューションズに多数いることも評価のポイントになったとしている。

 日本オラクルと三越伊勢丹システム・ソリューションズでは、2018年2月からOracle Exadataの導入に向けた共同プロジェクトを立ち上げ、従来機からのアプリケーション改修を開始した。データ移行や並行運用を経て、2018年11月下旬に完全移行した。その結果、従来と同等以上の性能を発揮しながらハードウェアの専有面積を65%削減、ピーク時の検索に十分耐え得るシステムを構築した。システムの運行費用は、従来と比較して約30%削減。統合ファイルサーバーにはバックアップの用途と合わせて、「Oracle ZFS Storage Appliance」も活用している。

 今回の顧客・商品データ分析基盤の本移行プロジェクトは、三越伊勢丹システム・ソリューションズ、新日鉄住金ソリューションズ株式会社が担当。Oracle Exadataに移行した分析用のアプリケーションはすべてスクラッチで自社開発しており、利用人数も大規模で、通常営業で利用しながらの移行計画となったが、ユーザーが利用する機能には影響を出さずに短期間で移行を完了できたとしている。

 今後は、一元管理された百貨店グループおよび、同グループのクレジットカードであるエムアイカードの顧客購買データとさまざまなデータを連携することで、三越伊勢丹の顧客ごとに精度の高いマーケティング施策を図っていくと説明。三越伊勢丹システム・ソリューションズは、分析基盤の移行で得られたノウハウを踏まえ、Oracle Exadataへの移行を検討中の企業を対象にサービス提供を図っていくとしている。