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富士通と電通、パーソナルデータを活用した新しいライフスタイルを提案する実証実験

 富士通株式会社と株式会社電通は13日、パーソナルデータを個人が自由に活用できる「マイデータ・マイライフ」と呼ぶ概念を掲げた活動として、パーソナルデータを活用した新しいライフスタイルを提案するライフデザインの共同検討を開始したと発表した。

 マイデータ・マイライフは、データポータビリティ社会の到来に先駆けるものとして、パーソナルデータを個人が自由かつ安心安全に活用することで、自身の生活を豊かにするためにどうすべきかの検討を目的とした、両社が掲げる概念。データポータビリティとは、個人のデータはその人自身のものという考えに基づき、企業などがサービスを通じて収集・蓄積した個人に関するデータを本人の意思でいつでも引き出し、他のサービスへ移転できる状態のことを指す。

 活動の一環として、両社では個人に関わる「時間」と「趣向」のデータを活用し、個人にあったライフスタイルをデザインする実証実験を、2019年8月に実施する。実証実験では、データは自分自身がコントロールすべきという考えのもと、参加者に自分自身のデータを自分の生活のために活用することを体感してもらうため、参加者が利用許諾した自身のGoogleカレンダーのデータを活用し、趣味・趣向のデータをマッチングさせて、ライフスタイルを提案する。

 参加者がその場で登録する個人の趣味・趣向データと、各自治体の募集・活動などの地域情報や、さまざまなイベント情報・メディア番組情報などといった各種企業の情報とを連動させることで、個人それぞれの状況に合った情報をレコメンドする。実証実験ではテレビ番組情報などを元に、各個人の趣味・趣向にあったテレビ番組情報などをレコメンドする予定。

 実証実験に向けて構築するサービスでは、個人が安心してデータを取り扱うことを可能にする富士通のPDS(Personal Data Store)サービスである「Personium」サービスを基盤とし、電通が提唱する「タイムフィリング」という考えのもとで富士通が開発したアプリケーションを使用する。

 実証期間は2019年8月中、対象者は一般の約200人を予定。実施場所は東京都内事業所を予定。形式はワークショップ形式。

 富士通は、データポータビリティ社会において、個人がパーソナルデータを有効かつ安全に活用するためのサービスを検討・検証するとともに、サービスの機能面の利便性と安全性に関して検証。電通は、5月に発足したデータ・テクノロジーセンター データ流通研究部を中心に、マイデータで個人と企業のエンゲージメントを創出するサービスのあり方を検証する。

 両社では実証実験の結果を踏まえ、今後、個人視点でのパーソナルデータ利活用のあるべき姿を検討し、ソフト・ハード面で利便性と安全性を確保したサービスの研究、開発に生かすと説明。また、データポータビリティ社会を見据えたパーソナルデータ利活用モデルを、さまざまな企業も交えて検討していくとしている。