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コニカミノルタ、未来の働き方を提案する新世代複合機「bizhub iシリーズ」発売
SMBのコネクテッドオフィス化は“セキュリティ確保から”
2019年5月1日 06:00
コニカミノルタ株式会社は、フルモデルチェンジした新世代カラー複合機/プリンタ「bizhub iシリーズ」を5月20日より販売開始すると発表した。
コニカミノルタ 常務執行役 情報機器事業管掌兼オフィス事業本部長の大幸利充氏は、「bizhub iシリーズは、コピーやFAXするだけの複合機ではなく、クラウドなど高度なITサービスへのもっとも身近なタッチポイントとして位置づけている。IT人材を抱えることが難しい中堅・中小企業が多様なワークスタイルに対応し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現できるよう、コネクテッドオフィスのプラットフォーマーとして支援していきたい」と語り、単なる複合機を超えた、中堅・中小企業ならではの“タッチポイント”として展開していく方針を示している。
bizhub iシリーズには、A3カラー複合機「bizhub C360i」「bizhub C300i」「bizhub C250i」、A4カラー複合機「bizhub C4050i」「bizhub C3220i」、A4カラープリンタ「bizhub C4000i」の6モデルが用意されている。
それぞれの最大印刷速度と本体価格(税別)は以下の通り。なおbizhub C3220iのみ、販売開始予定は7月となっている。
・bizhub C360i:36枚/分、160万円
・bizhub C300i:30枚/分、139万円
・bizhub C250i:25枚/分、125万円
・bizhub C4050i:40枚/分、74万8000円
・bizhub C4000i:40枚/分、22万3000円
・bizhub C3320i:33枚/分、24万8000円
bizhub iシリーズでは、複合機としての操作性を大幅に刷新し、オペレーションパネルがより直感的でわかりやすいインターフェイスに変更されたほか、クラウドとの連携も実現しており、複合機のパネルからクラウドアプリケーションのダウンロードや実行が可能となっている。
各アプリケーションはユーザー認証と連携しており、従業員ごとに必要なアプリケーションだけが表示される。また、不要な印刷によるコスト増加や放置プリントによるセキュリティリスク、マニュアルワーク増大による生産性低下といったことを防ぐために、ドキュメント自動処理機能「Dispatcher Suite」を強化。ドキュメントワークフローの最適化と管理の一元化を図っている。
さらに中堅・中小企業のIT化を進めるにあたってもっとも難易度が高いセキュリティ確保についても、前世代のbizhubシリーズから提供する「bizhub SECURE」のアップデートやGDPR準拠などが実施されているが、複合機をIoTデバイスとして位置づけた強化点として注目すべきエンハンスに、業界初となるウイルススキャンエンジン(Bitdefender)の複合機への組み込みが挙げられる。これにより、複合機自体のウイルス/マルウェア感染を防ぐだけでなく、複合機が攻撃の踏み台となるリスクを大幅に低減する効果が期待される。
なお、bizhub iシリーズとWorkplace Hubを連携させることで、ウイルススキャンの統合管理やファイアウォール機能を活用した、より強固なセキュリティシステムを実現できる。
メンテナンスに関しては「高品質なサービスの継続的提供」が掲げらており、複合機や搭載アプリケーションを自動で最新の状態に保つリモートアップデート機能を実装。遠隔監視によりつねに複合機を最適な状態で維持するほか、災害時にはバックアップデータからの早期復旧を可能にしている。
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コニカミノルタは現在、日本を含むグローバル市場で展開中のオールインワンITソリューション「Workplace Hub」を中心に、中堅・中小企業のDXを支援する「Connected Office(コネクテッドオフィス)」戦略を取っている。コネクテッドオフィス戦略では、IT人材を抱えられない中堅・中小企業が、複合機をベースにしたITプラットフォームを構築できるよう、以下の4つのキーワードのもとで開発が進められている。
・Connect IT:高度なITサービスの利用
・Connect People:複合機起点のワークフロー最適化
・Connect Security:IoTデバイスとしてのセキュリティ確保
・Connect Work:複合機をつねに最新の状態にアップデート
そして、コネクテッドオフィス戦略におけるbizhub iシリーズの役割は、複合機というオフィス内でもっとも多くの従業員が触れるデバイスであり、さまざなま入出力作業を担う存在という特徴を生かし、使い慣れたインターフェイス(タッチパネル)からクラウドアプリケーションを含む高度なITサービスにセキュアにアクセスできる「多様な入出力を担う顧客近くの“タッチポイント”」と位置づけられている。
したがって、1台でインフラとしての機能をほぼカバーするWorkplace Hubとは異なり、bizhub iシリーズは「スキャンに特化した、クラウドも利用できるセキュアで便利なエンドポイント」であり、Workplace Hubよりもさらに導入のハードルが下げられた印象だ。
ただし、導入のハードルは下げつつも、中堅・中小企業にとって切実なセキュリティの確保には注力している。コニカミノルタ 執行役 コニカミノルタジャパン 副社長 大須賀健氏は「今回のbizhub iシリーズにおけるキーワードはセキュリティとレジリエンス。複合機は今後もオフィスには必ず残る存在。我々は複合機をベースに、中堅中小企業のお客様に対して、ITだけでなくオフィスの機能をすべて統合する環境(コネクテッドオフィス)を届けていきたい。その中でbizhub iシリーズを“身近に使える高度なITセキュリティ”を実現するデバイスとして位置づけてもらえれば」と語っており、セキュリティへのフォーカスをあらためて強調する。
コニカミノルタは今回のbizhub iシリーズの発表にあわせ、JBCCホールディングスの事業会社であるJBサービスとの協業を発表しており、bizhub iシリーズやWorkplace Hubを含む同社のプラットフォームに、JBサービス株式会社(以下、JBS)と提携したセキュリティサービスをマネージドで提供していくことを明らかにしている。
JBSは24時間×365日のサービスを提供する「SMAC」や認定ホワイトハッカーで構成される「SOC(セキュリティオペレーションセンター)」など、セキュリティソリューションを提供しているが、コニカミノルタジャパン 代表取締役社長 原口淳氏は「JBSもコニカミノルタと同じく中堅・中小企業というフィールドでのプレイヤーであり、また、当社の事業構想に強くコミットしてくれたことも加わって今回の提携を決断した」と提携の理由を語っている。
日本の中堅・中小企業はグローバルのSMB市場においてもIT投資が低い傾向にあり、その主な理由として「IT人材がいない」「コストが負担できない」「社員がITを使いこなせない」などが挙げられる。
その最たる存在であるセキュリティに、複合機というエンドポイントから切り込むかたちで登場したbizhub iシリーズ。「当社にとっても令和初となる製品だけに、デジタルネイティブな世代にも使ってもらいたい」(大須賀氏)という言葉にもあるように、国内の中堅・中小企業がITにおいても新しいターニングポイントを迎えられるよう、その後押しをすることがコニカミノルタとbizhubシリーズの令和における最初の仕事となる。