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NSSOLの森田新社長が会見、「ITで企業の生産性向上や暗黙知継承などを支援」

 日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は10日、記者会見を開催。2019年4月1日付けで社長に就任した森田宏之氏が、新社長就任の抱負などを述べた。

 NSSOLは、親会社である日本製鉄が4月1日付けで新日鐵住金から社名変更したことに伴い、社名を新日鉄住金ソリューションズから日鉄ソリューションズへ変更。社名変更と新社長就任が同じタイミングとなった(略称は変更なし)。

NSSOL 代表取締役社長の森田宏之氏

森田宏之新社長の略歴

 新社長の森田氏は、1958年生まれの60歳。一橋大学商学部を卒業後、1982年4月に新日本製鐵に入社し、堺製鉄所に勤務して生産管理業務を担当。1985年には国際大学大学院に派遣されたほか、1987年には本社人事部に異動し、合理化や多角化を推進した。

 1989年1月には、新日鉄情報通信システム(現・日鉄ソリューションズ)へ出向し、人事制度の刷新を担当している。また、1997年には米国法人立ち上げを担当した。

 2001年からは金融ソリューション事業を担当したが、2003年3月に新日本製鐵を退職し、日鉄ソリューションズで金融ソリューション事業部企画・マーケティング部部長や情報系ソリューション事業部長などを経て、2010年4月に業務役員、2012年6月には取締役に就任している。

 その後も、2015年6月に取締役上席執行役員、2016年4月に取締役常務執行役員などを務め、2017年10月に取締役常務執行役員兼ソリューション企画・コンサルティングセンター、産業・流通ソリューション部門、営業統括本部担当、産業・流通ソリューション事業本部長、営業統括本部長などを歴任している。

 座右の銘は、「知行合一」。サイエンス系の読書が趣味だという。また、大学時代はアメリカンフットボールを経験。テニスやゴルフを嗜む。

 なお、前社長の謝敷宗敬氏は、取締役相談役に就いた。

新社長の略歴

NSSOLの特長

 一方、NSSOLは日本製鉄の情報システム部門を前身としており、日本製鉄グループのシステムソリューション事業の中核会社に位置づけられる。同グループの事業成長をITで支えるとともに、鉄で培った技術力と業務知見を生かして、幅広い業種に対しITソリューションを提供しているのが特徴だ。

 森田社長は、「これから迎える令和の時代において、日本の経済性や労働力などを考えると、多くの企業に共通しているのは生産性を高める必要があるということだ。そのなかで、ITの役割はますます高まるだろう」と発言。「つい最近まで現場を見ていたが、号令をかければ一気に動くのがこの会社の特徴である」などとした。

 また、「日本製鉄グループは、住友金属や日新製鋼を含め、この5年間で合従連衡が進み、生産拠点も分散化している。どう生産を最適化するのか、社員の若返りとともに、組織に根付いていた暗黙知や経験値が継承されていないという問題がある。こうした課題を解決するために、最新のITを駆使して、いかに生産性を高めて生産構造を最適化するか、物理的に分散している拠点をバーチャルに統合して管理するか、といった部分で果たすべき役割は大きい」とした。

 さらに「製鉄業のITフィールドは、IoTやAIなどが注目されている分野である。当社では、工場で働いている人にセンサーを持たせて、個人のバイタル情報や位置情報を取得し、安全に見守るソリューションを提供。親会社と協働して実証できることから、他業種のお客さまに対して、適用した実例として提案できる点が強みである」とした。

ビルに取り付けられている社名も新しくなった

NSSOLの3つのSIモデル

 なお同社では、従来のシステムインテグレーション事業モデルを「NSSOL 1.0」、顧客との共創活動を行う「NSSOL 2.0」、デジタルトランスフォーメーションを支援する「NSSOL 4.0」という3つの事業モデルを展開している。

 森田社長は、「いまは、圧倒的にNSSOL 1.0が多いが、NSSOL 1.0以外の新たな事業モデルに取り組んでいく。NSSOL 2.0では、お客さまと一緒になって、なにを作りたいのかというところから入っていくことになる。ここでは、業務サイドに入って、システム企画から行っていくものであり、私が担当していた流通ソリューション事業では、お客さまのもとに入って共創を行うITディレクターが70~80人いた」と振り返る。

 その上で、「NSSOL 4.0では、AIやIoTをどう活用するのかといったことを悩んでいるお客さまに対し、提案を加速することになる。デジタル化に向けては、ふんどしを締めてかからないといない。これを乗り切らないと親会社も含めて将来がない。これに真剣に取り組むことが、NSSOLの将来の活路を見いだすことにつながる」とした。

 森田社長は、この3つのモデルを、「お客さまとの関係性を示したものであり、技術の違いを指したものではない」と語り、「NSSOL 1.0も重要な市場であり、業務知見を身につけるという意味でも大切な現場である」などと述べた。

 また、これまでの取り組みを振り返り、「インターネットやオープン化、クラウドの波に、きれいに乗れたわけではないが、それなりにとらえてきた。ある意味、堅実に対応してきた。IoTやAIもこれと同じであると考えている。また、人に依存したビジネスをある程度堅持しながら、人に依存しないサービスやクラウドビジネスに対しても、興味を持って探索していきたい」とした。

 特に、「データセンターやプライベートクラウドビジネスは、労働集約型のモデルではなく、資本集約型のモデルになっている。機械学習プラットフォームのDataRobotは、サブスクリプションによるサービス型のビジネスであり、そこにコンサルティングなどを組み合わせることになる。そうしたことを指向するお客さまも多いので、そこにも取り組んでいく」とも述べている。

 一方で、「これからは人材不足が顕著になり、人材育成も重要な取り組みになるが、ここ数年、当社でも若い人材が辞めている傾向がある。他社に比べるとその比率は低いが、我々の感覚ではかなり増えている。ベンチャー企業などに移籍するケースが増えている。戻ってきてもらうということも人事制度として取り入れる。どこで育成してもらうのかということであり、そのあたりから発想を変えないかなくてはならない」などとした。

 今後の同社を取り巻く市場動向については、「新年度の挨拶でお客さまを回ると、サービス分野では、東京オリンピックまでは勢いが持続することになると見ている。また製造業では、中国市場の影響もあり、年央以降は不透明というお客が多かった。サービス業と製造業を主力とする当社は、これを足し込んだ見通しになる」と話している。