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NEC、AI活用プラットフォームで利用可能な最先端AI技術を増強

業種・業務別テンプレート群も順次提供へ

 日本電気株式会社(以下、NEC)は1日、AI活用の検証から導入、活用までをトータルに支援するAI活用プラットフォーム「NEC Advanced Analytics Platform(AAPF)」を強化し、最先端AI技術を順次搭載すると発表した。第1弾として、現在搭載している「異種混合学習」に加え、新たに「RAPID機械学習」「テキスト含意認識」を搭載するという。

 「AAPF」は、データサイエンティストによる“検証”、アプリケーション開発者による“導入”、ユーザーによる“活用”を包括的に支援するAI活用プラットフォーム。プロフェッショナルの協働による“みんなで創るAI”を実現でき、複数のAI技術を組み合わせた検証、導入、活用が可能になるという。

 今回はこのAAPFにおいて、分析を高速・軽量に処理する深層学習(ディープラーニング)エンジンのRAPID機械学習と、2つの文が同じ意味を含むかどうかを高精度・高速に判定するテキスト含意認識を搭載する。

 これにより、多種多様なデータから自動で複数の規則性を発見できる異種混合学習とあわせ、3種類のAI技術が利用可能になる。単一環境で複数のAI技術が利用できるため、複数の分析パターンを比較評価して、最適なAI技術を選択可能になる点がメリットとした。また、数値とテキストを組み合わせた分析ができるなど、複数のAI技術を適材適所で多目的に活用可能になるとのこと。

 「AAPF」の価格は月額90万円(税別)から。NECでは今後も、保有するAI技術をAAPFに順次搭載する予定だ。

 さらに今回は、「AAPF」上で利用できる業種・業務別テンプレート群「NEC Advanced Analytics Platform Solution Templates」を製品化し、多種多様な業種・業界向けに提供することも発表された。

 これは、AI活用の検証フェーズまでを素早く進められるように支援するもの。需要予測や品質分析などの業務テンプレートから、ユーザーが自身の業務に合ったものを選択し、テンプレートのガイダンスに従ってデータを用意し入力するだけで、データサイエンティストの知見を活用した詳細な分析結果を簡単に得られるという。

 これにより、AIの活用イメージがわかり、価値をいち早く検証できるほか、分析過程においては、各現場の業務・条件に合うようにテンプレートをカスタマイズして分析できるので、継続的な業務効率の向上と高度化を支援するとした。

 各テンプレートでは、200件以上の業種・業務別の分析事例から、それらを検証するための分析設計(データフォーマット、加工方法、AIパラメータ)と分析結果の可視化手法を抽出して整備し、製品に組み込んでいる。

 なおテンプレートの第1弾としては、NECプラットフォームズやNECフィールディングでのAI活用ノウハウをもとにした「製品需要予測テンプレート」「保守部品需要予測テンプレート」を、2019年3月より提供する予定。