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新潟大学とNECソリューションイノベータ、AIを活用した手術後感染の予測モデルを構築

 国立大学法人新潟大学とNECソリューションイノベータ株式会社は22日、AIを活用し、消化器外科手術患者の手術後感染を予測するモデルの検証を実施したと発表した。

 手術後の感染症のリスクを低下させるためには、抗菌薬の予防的投与が有効とされているが、抗菌薬の多量投与は薬剤費への影響が大きいほか、耐性菌が発生・増殖するリスクも高くなってしまうため、適切な患者に適切な薬を適切な量、適切な期間投与することが重要になっているという。

 そこで今回の検証では、消化器外科で手術をした患者において、手術後感染と関係する因子の検証、および手術後感染を予測した。

 新潟大学医歯学総合病院の消化器外科手術で入退院した患者、約2000人の電子カルテを匿名化したデータに対して、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つ「異種混合学習技術」を適用したところ、精度指標を示すAUC 85%を達成する、手術後の感染予測モデルを構築できたとのこと。

 また、手術後の感染に関係する年齢、BMI、使用薬剤、手術時間などの因子が可視化されたとした。

 両者では今回の検証結果を踏まえて、構築した予測モデルを活用し、入院から手術終了までの電子カルテデータより手術後感染患者の早期予測の支援を目指すとしている。