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国内外付型エンタープライズストレージ市場、2018年第2四半期の支出額は前年同期比0.2%増の383億6200万円~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は18日、国内外付型エンタープライズストレージシステムの2018年第2四半期(4月~6月)の支出額実績を発表した。2018年第2四半期の同市場の支出額は、前年同期比0.2%増の383億6200万円となった。

 市場のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが37億2400万円(前年同期比9.1%減)、オープンシステム向けが346億3800万円(同1.3%増)。メインフレーム向けは、2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している。一方、オープンシステム向けは、ミッドレンジとローエンドがプラス成長となったことが貢献。従来、ハイエンドの価格帯であった製品において、価格帯の下落に伴いミッドレンジにシフトする傾向があると分析している。

国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2016年第2四半期~2018年第2四半期(出典:IDC Japan)

 IDC Japanでは、2018年第2四半期の市場については、リプレイスを中心とした大型案件の動向が大きく影響し、前年同期にあった大型案件ほどの売上が得られなかったり、売上予定の大型案件が後ろ倒しになったりしたことで、複数のベンダー売上額のシェアが大きく変動したと分析する。

 この結果、2018年第2四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)のうち、ベンダー別売上額の上位5社は、日立製作所(17.6%)、デル(14.7%)、ネットアップ(14.1%)、富士通(12.2%)、IBM(8.8%)の順となった。

 前年同期と比較すると、1位以外のすべての順位が異なり、この大型案件の動向はオールフラッシュアレイ(AFA)の支出額にも大きく影響したと説明。AFAの支出額は80億5900万円で、従来四半期毎に前年同期比で2桁%またはそれ以上のプラス成長を続けていたが、今期は1.0%増にとどまっており、また、大型リプレイス案件のインフラがサービス事業者のインフラへシフトしたことで、支出する産業分野にも変化が発生したとしている。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は、「2018年第2四半期は、外付型エンタープライズストレージシステム支出額が前年同期比で横ばいであった。更新需要に支えられている本市場では、大型リプレイス案件の有無が市場に与える影響は大きい。一方、従来サーバー内蔵型ストレージの採用によって規模の経済の追求が進むとみていたサービス事業者のインフラでは、外付型ストレージの需要が高まっている。ベンダーは、既存顧客の更新需要へ過度に依存せずに新たな需要を探る一方、シェアの獲得機会をサービス事業者のインフラにも見出すべきである」と分析している。