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NEC、ASEAN加盟国向けのサイバーセキュリティ人材を育成するセンターのシステムをタイに構築

 日本電気株式会社(以下、NEC)は14日、現地法人のNECタイを通じて、タイ・電子取引開発機構(ETDA:Electric Transaction Development Agency)から、ASEAN加盟国向けのサイバーセキュリティ人材を育成する「日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC:ASEAN-Japan Cybersecurity Capacity Building Centre)」のシステム構築および演習業務を受託したと発表した。

 「日・ASEAN統合基金2.0(JAIF:Japan-ASEAN Integration Fund)」のプロジェクトの一環として、総務省が推進して行われるもので、サイバーセキュリティ人材の育成と能力向上といった各国の課題に対応する。

 今回、NECが受託した業務では、ETDA施設内の演習用教室やサーバルーム、事務所に、サイバーセキュリティ演習の実施に必要な各種IT設備を導入する。

 また、サイバーセキュリティ演習コンテンツの開発・提供として、コンピュータ内のデータを調査・分析し、攻撃の内容や原因を追及する「フォレンジック演習」、攻撃を仕掛けたコンピュータウィルスを解析する「マルウェア解析演習」のコンテンツを株式会社ラックと共同で開発。これらに加え、実践的なサイバー防御演習環境をクラウド上に実装し、提供する。

 さらに、NECとラックから講師・チューターを派遣し、2019年5月までに計6回の演習を開催し、毎回、ASEAN各国から政府・重要インフラ企業の職員2~4名、合計で約150名の参加者を見込む。また、ASEAN各国から選抜された若手技術者や学生がサイバー攻撃対処能力を競う「サイバーSEA(South-East Asia)ゲーム」を開催する。

 NECでは、社会ソリューション事業に注力しており、ASEAN加盟国のサイバーセキュリティ主管庁の職員など約40人を対象としたサイバーセキュリティ演習を2017年10月にフィリピンで行うなど、ASEAN地域のサイバーセキュリティ人材の育成に取り組んできたと説明。今後も、国内外の政府機関や重要インフラ企業などへのサイバー防御の演習や製品・サービスの提供を通じて、サイバーセキュリティ能力の向上に貢献するとしている。