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ニチレイロジグループと日立、冷凍設備の安定稼働をIoTで支える実証実験

 株式会社ニチレイロジグループ本社と株式会社日立製作所(以下、日立)は28日、日立グループのIoT技術を活用し、冷凍設備の故障予兆診断と運転・メンテナンスの効率化に向けた共同実証を9月から開始すると発表した。

 冷凍食品や生鮮食品などを低温で流通させるコールドチェーンでは、冷凍倉庫は重要施設のひとつであり、冷凍倉庫内の保管品の品質を維持するために、冷凍設備の安定稼働が不可欠となる。

 現状は、熟練技術者が巡回して目視で確認しながら冷凍設備の運転管理・設定操作を行うほか、設備点検やオーバーホールを定期的に実施するのが一般的で、熟練技術者のノウハウ伝承や設備の突発障害回避、消費エネルギーやメンテナンスコストの低減といった課題への解決策が求められているという。

 そこで日立では、同グループのビッグデータ解析技術や音解析技術、予兆診断技術を組み合わせ、冷凍設備の故障予兆診断と運転・メンテナンスの効率向上を実現するシステムを開発。これをニチレイロジグループ船橋物流センター内の冷凍設備6台を対象に導入し、設備の稼働データを収集・蓄積・分析することにより、故障の予兆診断と設備運転の効率化を支援するとした。

 事前に行われたシミュレーションでは、従来に比べて冷凍設備の運用・メンテナンスにかかわるコストを、約25%低減できる見通しが得られているとのこと。

 なおニチレイロジグループは、今回の共同実証で得た成果をもとに、2019年度から国内拠点の約140カ所、約870の冷凍設備に本システムの導入を進めていく計画。また日立は今後、このシステムをIoTプラットフォーム「Lumada」を活用したソリューションとして、国内の物流分野向けに展開したい考えだ。

ニチレイロジグループ船橋物流センターの外観写真(左)と、冷凍設備(右)