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キヤノンITS、製薬企業向けの安全性情報進捗管理システム「PVLink Report Manager」

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は18日、製薬企業のMR(医薬情報担当者)および安全管理部門向けに、安全性情報の進捗管理システム「PVLink Report Manager」の提供を開始した。

 国内の製薬企業は、医薬品の副作用と疑われる症例などを確認した場合、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)に対する報告が義務付けられている。一般的に副作用情報は、製薬企業のMRが医療機関などを訪問して収集して、自社にある医薬品の安全管理部門に報告し、さらに安全管理部門が報告された情報の評価や調査を実施して、PMDAに副作用情報の報告を行う。

 この際に、安全管理部門は副作用情報の詳細を調査するためにMRと複数回にわたりやり取りを行うが、企業によってはMRが数千人にもおよぶため進捗管理に掛かる負荷が高く、報告遅延や報告漏れのリスクが運用上の課題となっていると説明。また、MRからは外出先からでも社内ルールに沿って安全かつ迅速に報告したいという要望が上がっているという。

 キヤノンITSでは、製薬企業からの要望を集約し、運用面で課題となっていた安全性情報の進捗管理業務について、基本機能をパッケージ化した安全性情報進捗管理システム「PVLink Report Manager」を開発した。

 PVLink Report Managerは、製薬企業における安全性情報を管理する業務プロセス(報告・収集・進捗管理・調査・ICSR連携)の機能を標準装備。個別にシステム開発を行った場合に比べて、低コスト、短期間でシステムを構築できる。さらに、画面構成・入力項目・デザインなどは、顧客の要望に合わせて柔軟に設定できる。

 副作用報告の進捗管理をシステム化し、MRからの報告への受領メールも自動化。MRがスマートデバイスから安全管理部門への報告に使用する「PVLink Camera Report」と連携して使用でき、MRは営業所に戻らずに外出先からスマートデバイスやPCを利用して第一報を報告できるようになり、報告遅延や報告漏れの防止につなげられる。

 また、PVLink Camera ReportとPVLink Report Managerにより副作用情報の収集・進捗管理を行い、さらに個別症例安全性報告を電子的に伝送するEDIシステム「EDI-Master DEX for Medical」を使用してPMDAへの報告を行うことで、安全性情報の統合管理を実現できる。

 PVLink Report Managerの価格は1000万円(税別)から。キヤノンITSでは、今後も製薬企業の安全性情報管理業務についてトータルなソリューションを展開し「EDI-Masterシリーズ」を中核とするEDIソリューション関連事業で、2022年に年間売上高25億円を目指すとしている。