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キヤノンITS、安全性情報管理に必要な機能を標準化した製薬企業向け「PVLink Report Manager Cloud」を提供

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は23日、製薬企業の安全管理部門と医薬情報担当者(以下、MR)向けに、医薬品の安全性情報管理に必要な機能を標準化したクラウドサービス「PVLink Report Manager Cloud」の提供を開始した。

 製薬企業は、医薬品の副作用と疑われる症例を確認した場合、厚生労働省所轄の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)に報告する義務がある。令和2年度のPMDAに対する医薬品の副作用等報告数は約65万件あり、膨大な症例情報の収集および評価を行う製薬企業の安全管理部門では、業務効率化と負荷軽減のため安全性情報進捗管理システムの導入ニーズが高まっている。

 しかし、症例情報の収集項目は取扱商品ごとに多岐にわたり、個社に合わせて要件定義を行うシステム開発では、導入までに時間がかかることが問題となる。また、製薬企業のシステム構築においては、開発プロセスの検証と文書化がガイドラインとして定められており、初期導入時や、取扱商品の拡大による項目の追加・修正など改修を行うたびに、対応が必要となる。そのため、製薬企業が自社でシステムを開発し、維持管理・運用することは大きな負荷となっている。

 こうした製薬企業の課題を解決するサービスとして、キヤノンITSは製薬企業の安全性情報の進捗管理に必要な機能を標準化し、自社クラウドサービス「SOLTAGE」を活用したPVLink Report Manager Cloudを提供する。

PVLink Report Manager Cloudの概要図

 PVLink Report Manager Cloudは、報告・収集・進捗管理・調査・個別症例安全性報告(以下、ICSR)連携など、安全性情報管理業務に必要な機能を一式備え、要件定義にかかる時間を短縮できるため、短期間で導入できる。さらに、標準の収集項目だけでなく、取り扱い薬品に特化した個社特有の収集項目も追加でき、入力必須指定などきめ細かな設定機能を備える。

 ガイドラインへの対応はキヤノンITSが行い、システムの導入から保守サポートまでワンストップで提供し、顧客の負担を軽減する。

 PVLink Report Manager Cloudの価格は、月額100万円(税別)から。初期費用は別途必要。