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AWS、Windows Serverのクラウド移行を推進するパートナーに富士ソフト、JBSを認定

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社(AWS)は28日、4月から開始した新しいパートナープログラム「Amazon EC2 for Windows Server」に、富士ソフトと日本ビジネスシステムズ(JBS)の2社が参加したと発表した。

 近年、業務システムをクラウド環境に移行したいという企業は増えている。AWS パートナーアライアンス本部長 今野芳弘氏は、「Windows Serverで稼働しているシステムをAWS環境に移行したいという企業は増えており、2012年から2017年において、Windows Serverを導入しているEC2環境は9倍に増加している」と説明。Windows Serverベースのクラウドシフトにおいても、同社が堅調な伸びを示しているとした。

AWS パートナーアライアンス本部長 今野芳弘氏

 今回2社が参加したAmazon EC2 for Windows Serverは、AWSが展開する「AWSサービスデリバリープログラム」の1つ。Windows Server上で稼働しているシステムを、AWSのクラウド環境に移行支援できるパートナーとして、AWSが認定するものだ。

 Amazon EC2 for Windows Serverの認定基準は、EC2 Windowsを利用した事例2件の提供、AWS上のオンライントレーニング受講、AWSとの関連が確認できるWebサイトの公開、およびAWSの監査をクリアしていること、となっている。

 今野氏はこのパートナープログラムの信頼性について、「決して認定は簡単な基準ではなく、一度認定されても定期的な更新が必要」であることをアピールした。

AWSサービスデリバリープログラム
Amazon EC2 for Windows Serverの認定基準

 Windows ServerベースのシステムをAWS環境へ移行するメリットについて、今野氏は、信頼性、柔軟性、拡張性、およびセキュリティの面でAWSは高い実績を持っていると説明。すでに企業が持っているライセンスをそのまま持ち込めることが、コスト面でも大きなメリットになるとする。

 また、既存のオンプレミス環境、あるいはプライベートクラウドやほかのパブリッククラウドで利用しているHyper-V、vSphereなどの仮想環境からスムーズに移行するために、移行ツールなども提供しているという。

AWS環境におけるMicrosoftライセンス
既存環境からの移行を支援するツールも提供されている

 今回Amazon EC2 for Windows Serverの認定を受けた富士ソフトとJBSは、両社とも長年にわたり、Windows ServerをはじめとするMicrosoft製品を用いて、システムの構築や運用を行ってきた実績を持つ。近年は、クラウドへの移行を希望する顧客に対して、AWSをはじめとするとクラウド環境への移行を支援しているという。

 このうち富士ソフトでは、同社の強みを生かし、移行計画から運用まで一気通貫で支援する「AWSマイグレーション サービス」を提供する。富士ソフト 取締役 常務執行役員 ソリューション事業本部長の新井世東氏は、「AWSに移行したいと考えていても、セキュリティを懸念されるお客さまが多いが、当社のサービスはすべてセキュリティを念頭に置いている」と説明。

 同様にJBSでも、包括的なクラウド移行や運用の支援サービス、またセキュリティのコンサルティングサービスを提供している。JBS イノベーションサービス統括本部 データプラネットソリューション本部長 伊藤英啓氏は、「既存システムが本当にクラウドで動くのか懸念されるお客さまは多い」と述べ、こうした顧客に対して支援を提供しているとした。また、「金融業のお客さまを中心に、セキュリティに関するコンサルティングも行っている」と述べている。

【お詫びと訂正】

  • 初出時、伊藤英啓氏のお名前と役職を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。

 なお両社ともに、2020年にMicrosoftのサポートが終了するWindows Server 2008/2008 R2について触れ、この延命措置として、AWS環境への移行が選択肢になっている企業も多いと述べている。

 なお、Windows Serverのクラウド移行を検討する際、やはりMicrosoftが提供するクラウドサービスのMicrosoft Azureと比較することになるという。

 こうした点を踏まえ、Windows ServerでもAWSを選択する理由として今野氏は、「すべてのケースにおいてAWSの方が優れているとはいえないが、可用性や信頼性の実績、高いパフォーマンスを持ち、さらにMarketplaceには600を超えるWindows Serverベースのソリューションが展開されていることはメリットだ。また、保有している拠点も多く、DR(Disaster Recovery:災害対策)用途にAWSを選択されるお客さまも多い」と説明した。

 さらに、富士ソフトとJBSの両担当者も「AWSを利用したいというお客さまは、すでに何らかの形でAWSを利用されていることが多い。傾向として、自分たちで積極的にシステム開発や運用を行うお客さまはAWSを、逆にシステム構築や運用を任せたいお客さまはAzureを選択することが多い」と述べた。

左から、JBS 伊藤英啓氏、AWS 今野芳弘氏、富士ソフト 新井世東氏