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HENNGEが明かす「脱PPAP」の最新実績──残る課題「社内調整・取引先への説明」をどう乗り越えるか
2026年7月1日 06:15
HENNGE株式会社は6月30日、クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」の利用実績データをもとに、PPAPの利用比率が直近2年間で約半減し、約6%になったと発表した。HENNGE Oneユーザーが送った添付ファイル付きメールのうち、PPAPを利用している割合は、2021年10月時点では29.4%だったのに対し、2024年7月時点で12.4%へ、さらに2026年6月時点で6.2%まで減少したという。
HENNGEではこの結果について、「ユーザーの動向を調査すると、取引先とのやり取りで例外的にPPAPを残している企業もある。利用がゼロになるのではなく、業務上必要な部分は併用で残っていくのではないか」(HENNGE株式会社 Product Planning & Research Division, Product Management 2 Sectionの齊藤奈彩氏)と分析している。
今後、さらに脱PPAPを進めるために「HENNGE Secure Download」の機能強化などを進めるが、「脱PPAP実現の際に大きな障壁となるのは、社内の調整や取引先への説明。この課題解決の一助となるよう、成功事例の紹介など障壁を乗り越える情報の発信などを進めたい」(齊藤氏)としている。
PPAPが抱える4つのリスクと「脱PPAP」の社会的背景
PPAPは、メールでパスワード付きZIPファイルを送付するとともに、同一経路の別メールで解凍用のパスワードを送付するという、日本独自のファイル共有方法である。ファイルを暗号化していること、パスワードと暗号化されたファイルを別送することにより、セキュリティを担保したファイル共有方法とされてきた。
しかし実際には、暗号化されたままでゲートウェイなどでのセキュリティチェックを受けないことから、ZIPファイルの中にマルウェアが含まれていても検知できず、逆にセキュリティ面で問題がある手法である。
HENNGEでは、PPAPには「マルウェア感染リスク」「盗聴リスク」「暗号化手法の脆弱性」「業務効率の低下」という4つのリスクがあると指摘し、PPAPを廃止することが望ましいと説明している。
こうしたことから、脱PPAPを行うべきとする指針も発表されており、2020年11月には、セキュリティ的な観点から政府がPPAPを廃止することを表明している。最近でも、2025年5月に金融庁が金融機関向けに、「パスワード付きファイルの送付は基本的に行うべきではない」という通達を出した。
また2026年6月には、三菱UFJ銀行が、同行が顧客に送信するメールにおいては、パスワード付き添付ファイルでの送信を原則として取りやめると発表した。2026年7月18日から順次、専用のダウンロードサイトを利用して添付ファイルを送る方式に切り替えるという。
こうした中でHENNGEは、脱PPAPに向け、クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」において、Secure Download機能を2021年10月にリリースした。送信者は、これまで通りファイルをメールに添付して送るだけで、ファイルが自動的にクラウドストレージにアップロードされ、受信者には、元のメール本文とダウンロードURLが記載されたPDFがメールで届く仕組みとなっている。
メールの受信者は、自身のメールアドレスで認証をリクエストすると、認証コードが別経路で送信される。受信者ごとにダウンロードURLを発行するため、受信者だけが認証を行い、ファイルをダウンロードできる。万が一、誤った宛先にメールを送ってしまっても、TO/CC/BCCに入っているメール受信者のみが、メールアドレス認証後にダウンロードできる仕組みを備えているほか、送信後にURLを無効化することもできるので、ダウンロードを事前に阻止できるという。
PPAPの送信数を逆転、普及が進む「HENNGE Secure Download」
HENNGE Secure Downloadの送信通数の推移を見ると、2023年10月にPPAPの送信件数を上回った。それ以降、PPAPの送信件数は減少し、2026年6月時点では、PPAPが91万通なのに対して、HENNGE Secure Downloadで送られたメールの件数は562万通と、大きな差が出ている。
利用企業数も、2026年6月時点で80万社を突破した。「当社の契約企業数と、脱PPAPを進めている企業数の推移にどのくらいの相関があるかは明言できない部分ではあるが、当社のサービスを使っている企業が増えていく中で、これまでHENNGE Oneを使っていなかった企業にも、当社のサービス経由でメールが届くようになっている。その点で、脱PPAPを進める企業増加に、一部寄与しているのではないかなと考えている」(齊藤氏)。
今後のPPAP利用数については、「PPAPの利用数は減少するとは考えているものの、一部団体など、依然としてPPAPを利用することを取引先に求めるケースもあることから、すぐにゼロになるとは考えにくい。少ないながらも利用企業はしばらく残っていくのではないか」という。
そうした状況を踏まえ、今後は機能強化を進めていくとともに、「これまでPPAPを利用していた企業が脱PPAPを実践する際には、社内や取引先などへの周知などを進めることが障壁となっていると聞いている。そこで機能の充実だけでなく、脱PPAPを実現した企業の事例紹介など、脱PPAPのための情報などを提供していきたい」(齊藤氏)と説明している。




