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NEC、産総研、理研がAI研究で連携、基盤技術開発から実用化までを一貫で加速

 日本電気株式会社(以下、NEC)、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)、国立研究開発法人 理化学研究所(以下、理研)の3者は5日、AI研究における「未知な状況における意思決定」と「自律型AI間の協調」のテーマについて、基盤技術開発から実用化までを、連携により加速していくことで合意したと発表した。

 連携では、「NEC-産総研人工知能連携研究室」および「理研AIP-NEC連携センター」の活動において、研究開発に関する情報の共有やソフトウェアの共同開発、設備などの研究リソースの相互利用により、応用ソリューションと要素技術の間のすり合わせの効率化と、より高いレベルでの整合性による活動効率化、研究成果最大化を目指す。

 研究テーマのうち、ビッグデータ分析における過去データが不十分な「未知な状況における意思決定」については、複雑化した対象をシミュレーションした上で自動推論技術と融合することで、現実的な規模の知識ベースから妥当な推論を行う技術を開発。これにより、社会インフラのオペレーションにおいて、非熟練オペレーターでも熟練オペレーターと同等の意思決定が可能となり、経験不足によるオペレーションミスを飛躍的に削減できるとしている。

 また、個別システムのスマート化の進展により求められる「自律型AI間の協調」については、自律制御システム間で、譲る、分担する、融通するといった、AI同士が自律的に協調を行う技術を研究する。この技術により、自動運転車など自律型の機器が出現し、社会システムにこれらが組み込まれる際に、人間が制御するよりもより安全に、より効率的に機能させることによって、経済の大動脈である交通や物流から社会を一変させることが期待されるとしている。

 3者は、事象の絶え間ない変化による不確実で複雑な実世界を支える巨大なシステムを円滑に動作させるための新たな技術分野として確立し、AI研究のさらなる加速と社会・産業への貢献に向けて共同で取り組んでいくとしている。