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富士通、2017年度第3四半期累計の連結決算は減収増益 コンシューマ事業売却の影響を除くと増収に

携帯電話事業は投資ファンドへ売却

 富士通株式会社は1月31日、2017年度第3四半期累計(2017年4月~12月)の連結業績を発表した。

 売上高は前年同期比0.1%減の2兆9263億円、営業利益は同29.3%減の385億円、税引前利益は同22.1%増の723億円、当期純利益は同71.9%増の554億円となった。

2017年度第3四半期累計の経営成績

 売上高では、事業再編を行ったニフティのコンシューマ事業売却影響で約390億円のマイナスがあったが、これを除くと約370億円の増収。ネットワークの減収があるものの、国内サービスやデバイスが堅調に推移したことに加えて、為替の円安影響がプラスに働いた。

 また営業利益では、ネットワークやユビキタス、サービスを中心に、本業で323億円の減少となったが、ニフティのコンシューマ事業などの資産売却影響で約160億円のプラス、前年に計上した海外ビジネスモデル変革費用の反動で74億円のプラス効果があったという。

影響の詳細

 富士通 代表取締役副社長兼CFOの塚野英博氏は、「第3四半期には、国内外ともに2けた億円規模の不採算案件があり、これが利益に影響したが、一時的なものであると考えている。ITを取り巻く市場環境は堅調であり、本業は成長している。そして、なにをすべきかもわかっている。成長に向けた盤石な体制が整っていると感じている」などとし、今後の成長に自信をみせた。

富士通 代表取締役副社長兼CFOの塚野英博氏

セグメント別の業績

セグメント別の業績(第3四半期のみ)

 セグメント別業績では、テクノロジーソリューションの売上高が前年同期比1.5%減の2兆1504億円、営業利益は同28.4%減の744億円。そのうちサービス事業の売上高が同0.5%減の1兆8368億円、営業利益が同12.0%減の725億円。システムプラットフォームの売上高は同7.3%減の3136億円、営業利益は同91.3%減の18億円。

 「ソリューションSIは、金融関係やマイナンバー関連などの大規模プロジェクトの終息もあり、2017年度は端境期になると見ていたが、産業流通の貢献もあり、想定したほどではない。インフラサービスでは、国内は堅調に推移し、海外は円安による増収効果があった。またシステムプラットフォームでは、前年度に国内向け携帯電話基地局の所要が、第2四半期、第3四半期に集中していた反動があった。顧客の投資状況を見ると、国内、海外ともに、第4四半期も厳しいと考えている。むしろ、5Gが、2020年に向けて本格的に立ち上がるのは厳しい。長丁場になる可能性があり、過度な期待をしない方がいいと思っている。国内外ともに現実を見ながら、今後を考えていく必要がある」などとした。

テクノロジーソリューション
テクノロジーソリューション(サービス)
テクノロジーソリューション(システムプラットフォーム)

 ユビキタスソリューションは、売上高が前年同期比3.9%増の4865億円、営業利益は同40.7%減の116億円。「第3四半期は、国内法人向けPCが伸張。海外は競争環境は厳しいものの、円安がプラスに働きPCは増収になった。携帯電話は、らくらくシリーズにおいて、フィーチャーフォンの出荷台数が減少して減収になった。また、PCや携帯電話のキーコンポーネントの市況価格上昇などの影響もあり、全体では減益になった」という。

 デバイスソリューションは、売上高は前年同期比3.6%増の4211億円、営業利益は同150.4%増の115億円となった。

ユビキタスソリューション
デバイスソリューション

 なお、投資活動によるキャッシュフローが934億円増のマイナス375億円となっているが、「データセンター関連など、サービス分野を中心に設備投資を実施したが、前年にデータセンターに対する多額の出資があった影響に加えて、富士電機との株式持ち合い見直しに伴う売却収入、富士通テンの株式譲渡の影響により、前年から大きく支出減になった」と説明した。

通期業績見通しは据え置き

 2017年度(2016年4月~2017年3月)通期業績見通しは据え置き、売上高は前年比0.8%減の4兆1000億円、営業利益は同57.5%増の1850億円、当期純利益は同63.9%増の1450億円としている。

通期業績見通し
セグメント別の業績見通し

 だがセグメント別業績では、テクノロジーソリューションの売上高で150億円増、営業利益で300億円減とし、その内訳として、サービスでは売上高が400億円増、営業利益は150億円減、システムプラットフォームでは売上高が250億円減、営業利益で150億円減とした。

 サービスでは、第3四半期までの円安のプラス影響を売り上げの増額に盛り込む一方で、営業利益では欧州での法的紛争案件、不採算プロジェクト発生による一時的損失に加えて、ビジネスモデル変革による拡大および効率化の進展が遅れていることで影響し、見通しを減額した。

 システムプラットフォームでは、ネットワークプロダクトの見直しにより、売り上げ、営業利益ともに減額。「ネットワークプロダクトは、キャリアの投資規模が絞られている」などとした。

 また、その他/消去または全社は、売上高で150億円減、営業利益で300億円増とした。ここでは、携帯電話端末事業の売却に関する約300億円の利益と、各種リスクを考慮したという。

 なお、2017年度のPCの出荷台数は380万台、携帯電話は310万台の出荷を予定している。

 今回、富士通では同時に、携帯端末事業の再編を発表。携帯端末事業を行う富士通コネクテッドテクノロジーズに、ファンドのポラリス・キャピタル・グループが70%を出資。さらに、富士通の製造子会社である富士通周辺機で、携帯端末の製造を行っている同社社工場を分離し、ポラリス・キャピタル・グループが新たに設立するジャパン・イーエム・ソリューションズに譲渡する。ポラリス・キャピタル・グループは81%を出資する。

 「形を変える取り組みとして、PC事業については、レノボグループとの戦略的提携に続き、携帯端末事業をポラリス・キャピタル・グループに売却することで合意した。携帯端末事業は、2017年度中のクロージングに向けて進めていく。また、富士通コネクテッドテクノロジーズは、5年をめどにIPOを行い、ジャパン・イーエム・ソリューションズをより独立性を高め、外部からの製造受託を拡大する」と述べた。