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日本テラデータ、日本市場での事業拡大に向け組織改編を実施

エンドツーエンドのアナリティクスソリューションを提供へ

 日本テラデータ株式会社は1月23日、2018年度の経営方針説明会を開催した。説明会では、日本市場でのさらなる事業拡大に向けて、今年1月に業種特化の組織改編を行ったことを発表したほか、サービスブランドをThink Big Analyticsに統合し、エンドツーエンドのアナリティクスソリューションを提供していく方針を示した。

 説明会に登壇した日本テラデータ 代表取締役社長の高橋倫二氏は、まず、グローバルでの事業概況について、「テラデータ・コーポレーションは、世界77か国で事業を展開する多国籍企業で、従業員1万人の半分以上を技術者が占める技術者集団となっている。先進技術を持つさまざまな企業を買収することでアナリティクス・エコシステムの構築・強化を行い、データとアナリティクスのリーディングカンパニーへと変革を遂げてきた。2017年には、ガートナーやフォレスターなど主要調査機関が発行した6つの評価レポートでリーダーポジションを獲得している」と説明した。

日本テラデータ 代表取締役社長の高橋倫二氏

 2017年第3四半期の業績状況としては、グローバル市場では、Teradata Everywhereの戦略のもと提供する、新規購入と導入オプションの採用が好調に推移し、予想を上回る売上と純利益を達成したという。日本市場については、「もともと強い小売り分野に加えて、金融、自動車分野を中心に新規顧客の獲得が進んだ。また、顧客内での新規プロジェクト、ソリューション販売が拡大し、上流工程のビジネス・アナリティクス部門が計画比175%を達成した。さらに、金融や流通を中心にパブリッククラウド案件が増加している」(高橋氏)と、順調にビジネスが拡大していることをアピールした。

 その一方で、高橋氏は、日本市場でのビジネス課題について、「私が日本法人の社長に就任して4か月がたつが、これまでに50社以上の顧客を訪問し、CEOに会い、ヒアリングを行ってきた。その中で、顧客がデータの活用方法を十分に理解していない実情があることがわかった。日本企業には、まだ活用されていないデータが多数眠っており、もっとデータの活用を促進してイノベーションにつなげていく必要がある」との考えを述べた。

 こうした状況を踏まえ、同社では、日本市場での事業展開をさらに加速させるべく、今年1月に組織改編を実施したという。まず、注力業種にフォーカスし、営業体制を強化。ECと通信に特化した「EC&Communication事業部」と、自動車産業に特化した「自動車産業事業部」を新設した。また、従来までThink Big Analyticsとエンタープライズ・データ・コンサルティング本部に分かれていたサービス部門を一つの組織に統合。サービスブランドをThink Big Analyticsに統一し、上流工程のコンサルティングから実装までを包括的にサポートしていく体制を整えた。さらに、クラウドビジネスの強化に向けて、パートナー統括部を「パートナー&クラウド統括部」に変更し、クラウドに特化したアナリティクスチームを発足している。

 高橋氏は、「この新たな事業体制のもとで、2018年度は、顧客の課題解決、ビジネス成果獲得を、データとアナリティクスを駆使して実現していく」との方針を示した。

 続いて、Think Big Analyticsにブランド統合したサービスビジネスの新たな戦略について、日本テラデータ Think Big Analytics エリア・ディレクターの小峰誠司氏が説明。「今回のブランド統合によって、上流工程であるビジネス・コンサルティングからデータサイエンス、ソリューションの実装まで、エンドツーエンドのアナリティクスソリューションを提供することが可能となった」という。

日本テラデータ Think Big Analytics エリア・ディレクターの小峰誠司氏

 具体的な差別化戦略としては、「ビジネスフォーカス」「分析方法論 RACE」「Teradata Everywhere戦略」の3つを挙げる。

 「ビジネスフォーカス」では、業務、業種別に構成され、数百種類の実証済みアナリティクス・ユースケースを定義した「Teradataビジネス・バリュー・フレームワーク」を活用。「このフレームワークでは、金融、流通、製造、通信など業種別に、アナリティクスのユースケースを蓄積し、分析結果の出やすい業務機能を定義している。例えば、流通では『不正検知などのユースケース』、製造では『故障検知などのユースケース』、通信では『ネットワークと顧客の統合の検知提供』などがある。これを活用することで、業種ごとのトレンドを迅速に把握し、顧客に最適なアナリティクスソリューションを提案することができる」(小峰氏)としている。

Teradataビジネス・バリュー・フレームワーク

 「分析方法論 RACE」は、コンサルティングサービスの一つで、反復型のアジャイルな分析方法論。本格的な分析環境を構築する前のフェーズでPoCを行い、個々のビジネス課題を明確化する。そのうえで、分析機会の定義から検証までを最短6週間で実施し、課題を素早くビジネス価値に転換するという。

分析方法論 RACE

 「Teradata Everywhere戦略」は、同社が展開する幅広いプロダクト・ポートフォリオ戦略。Teradataの導入選択肢を拡充し、顧客のビジネスの規模や用途に応じて、システムのリソースを最大活用できるハイブリッドクラウド環境を提供する。また、オンプレミスと複数のクラウド間で利用時間や用途に応じて柔軟に選択、移行、拡張、再構築ができるソフトウェア・ライセンスモデルを提供する。

Teradata Everywhere戦略

 最後に小峰氏は、エンタープライズAI戦略での同社の強みについても言及し、同分野において、「レコメンデーションエンジン」「カスタマージャーニー」「需要予測」「PAM(Provisional Asset、Management)/IoT」「コンピュータビジョン」「アナリティクスの自動化」「音/音声/言語処理」の7つのビジネスオファリングが提供できると訴えた。