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日本テラデータが2017年度のビジネス戦略を発表、アナリティクス専門のコンサル部隊が本格始動へ

 日本テラデータ株式会社は2月28日、1月1日付けで設立した新組織「アナリティク・ビジネス・コンサルティング(ABC)本部」の詳細を含む、2017年度のビジネス戦略について報道関係者向けに説明を行った。

 日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏は「テラデータ設立からの35年間、Teradata DBという技術をコアにしてビジネスを展開してきたが、2011年ごろから買収戦略を展開し、オープンソースなど外部の技術も積極的に取り込んできた。今年はデータアナリティクス企業としてさらに一歩進んだ存在になるため、テクノロジ企業としての知見を活かしたビジネスコンサルにも力を入れ、お客様のビジネスにコミットしていきたい」と語り、ビジネス成果に直結するアナリティクスを推進していく姿勢を明らかにしている。

日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏

 テラデータは現在、日本法人を含むグローバルの方針として、

・ビジネスアナリティクスソリューション
・ハイブリッドクラウドソリューション
・エコシステムアーキテクチャコンサルティング

の3つを軸にした事業展開を行っている。ABC本部は、コンサルティング事業をソリューション事業と並ぶ同社の柱に成長させるべく、テラデータがグローバルで各リージョンの法人に1月1日付けで設立した部署だ。

ABC本部を支える3つの要素――ビジネスコンサルティング、データサイエンス、データエンジニアリング

 日本テラデータにおいては、日本IBM出身の森英人氏が、同日から同本部の本部長として業務を統括している。現在、森氏のもとでは30名ほどのデータサイエンティストおよび各業種に特化したインダストリコンサルタントが直属スタッフとして活動しており、顧客企業のビッグデータプロジェクトを上流工程からサポート、新たなビジネス収益モデルの創出およびビジネスモデルの最適化を行っている。

 コンサルティングを主業務として提供する企業のサービスとは異なり、テラデータのABC本部では「テクノロジカンパニーならではの実践的な提案を行い、データアナリティクス環境構築にまつわるエンジニアリングから業務適用までを含んだプロセスをエンドツーエンド、一気通貫で提供する」(森氏)点が最大の特徴となる。

日本テラデータ 執行役員 アナリティクス・ビジネス・コンサルティング本部 本部長 森英人氏

 ABCのプロセスは

・ビジネスコンサルティング:顧客の課題を定義し、アセスメントを行う
・データサイエンス:コンサルティングの内容をもとにデータサイエンティストがアナリストソリューションのデザインを行う
・データエンジニアリング:データアナリティクスのため環境を実装し、評価を通して業務への適用を支援する

という3つのフェーズから構成されている。

 そして各フェーズでのアプローチを支えるのが、テラデータの知見とノウハウが蓄積された「Business Value Framework(BVF)」に含まれる、膨大で多様なユースケースだ。金融、小売、製造、通信、輸送などあらゆる業界に特化したノウハウが詰まっており、このユースケースをベースにすることで顧客企業は短い期間で最適なデータアナリティクス環境を構築することが可能になる。

BVFはアナリティクス環境を構築するための最適な組み合わせを提示するフレームワーク

 森氏は、BVFのユースケースを「35年にわたるテラデータの知見が詰まっており、技術者から見ても非常に実践的な内容」と評価する。「テラデータのインダストリーコンサルは、顧客の現場におもむいて、その場でどんなデータが生成されているかを自分の目で見る。たとえば半導体工場が不良品を検出しやすくし、歩留まりの問題を解決したいという課題を抱えているなら、その工場からどんなセンサーデータが発信されているのかを実際に現場で確認し、現実的な落としどころを見つける。そういう作業を35年積み重ねてきた実績を超えられる競合は存在しない」(森氏)。

 BVFを実践する企業は、テラデータが提唱する「RACE(Rapid Analytic Consulting Engagement)」というアジャイルな手法にもとづいて、約6週間前後でエンジニアリングを終了させることが可能となっている。

迅速なエンジニアリングを実現するアジャイルなアプローチ「RACE」。約6週間という短期間で実装を完了する

 その後はABC本部が「ケーススタディにもとづいて構築したアナリティクス環境が、顧客の期待する成果を出せているかを評価」(森氏)を行い、業務への適用を支援することになる。

 「テラデータのコンサルやデータサイエンティストは、顧客への提案の際、Teradata製品だけにとらわれない。顧客の環境に適しているのが、たとえばPostgreSQLなどのオープンソース系のソリューションであるなら、それを迷わず推奨する。自社製品だけを売り込むベンダが多い中、テラデータがこういう姿勢の会社であることに(1月に入社してから)非常に驚いた」(森氏)。

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 冒頭での吉川社長の話にあったように、テラデータは2011年にAster Dataを買収、以来、オープンソース系企業の買収/提携を積極的に進めてきた。HortonworksなどHadoopディストリビュータとの提携、Prestoへの投資、さらにはオープンソースのコンサル企業として評価の高かったThinkBigの買収など、オープンソース系のテクノロジへの投資を続けている。

 数年前までは、Teradata DBを搭載したDWHアプライアンスだけが目立っていたが、ここ数年のパブリッククラウドとの連携も含め、「テクノロジーフリーの、カッティングエッジ(最先端)なテクノロジベンダー」(森氏)としての立ち位置を鮮明に打ち出している。

 「テラデータはこれまで先進的な企業による先進的なデータアナリティクス事例を顧客とともに作ってきた。特に、扱うデータ量が大きいというのがテラデータの特徴。この“先進性にフォーカスしていく”というアプローチは日本でも変わらない。最先端のユースケースを作り上げていくことが、国内のデータアナリティクス市場をドライブするきっかけになると思っている」と森氏は語る。テクノロジーベンダーならではのコンサルが日本のデータアナリティクス市場にどんな影響を与えていくのか、その成果に注目していきたい。