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KDDIと小湊鐵道、顔認証技術を用いた危険運転予防システムの実証実験を実施
2017年12月12日 14:04
KDDI株式会社と小湊鐵道株式会社は12日、顔認証技術を用いて、路線バスにおける危険運転予防の実証実験を実施したと発表した。小湊鐵道の路線バス(1路線)において、時速10km以上での顔位置ずれ・下向き・表情変化を計測している。なお実証実験は、2017年5月14日から2017年5月31日までのうち、13日間で行われたとのこと。
近年は、運転手の疲労や健康上のトラブルに起因する事故の発生が社会課題になっている。そこでこの実証実験では、いわゆる“ヒヤリ・ハット”につながる可能性のあるできごとの場所・時間別の定量データを分析することで、安全管理体制の構築に必要な教育や訓練の効率化への寄与、およびシステム商用化への可能性を検証した。
具体的には、運転席の前方に取り付けたカメラの画像データ、走行データなどを活用。運転中の車内乗務員の表情や挙動を計測することにより、表情変化やわき見運転などの情報に関する時刻や位置を特定している。
計測にあたっては、運転中に姿勢が規定の枠を超えると姿勢異常として検知するほか、口角情報などをもとに感情の変化も検知。デジタルタコグラフで計測した車両情報と重畳してレポート表示するという。
測定の結果、13日間で290件(1日平均で22件)を検知しており、運転手へのヒアリングに限られていた現状の情報収集と比べて、的確にヒヤリ・ハットを収集して、定量的に分析可能になったとのこと。
さらに、ヒヤリ・ハットにつながる可能性のある事象が、固有の時間帯に特化して発生している可能性があることも判明。こうした分析をもとに、運転手への共有、ヒアリング、注意喚起を実施することにより、安全運行が促進されることを確認した。
また従来の危険運転予防システムは、車内乗務員の体にセンサーを装着するものが一般的だったが、このシステムは車両に装着したカメラを活用するため、車内乗務員が運転中にストレスを感じることがない点も特徴としている。
なお実証実験のシステムには、2016年12月にKDDIが提供開始した、顧客企業のIoTビジネスにおけるシステム開発、構築、改善作業をトータルでサポートする「KDDI IoTクラウドCreator」を活用した。
KDDIは今後、今回の実証実験で得られた知見をもとに、小湊鐵道の協力を得て、今後の商用化に向け改善を重ねていく予定とのことだ。