ニュース
リコージャパン、日本マイクロソフトと中小企業へMicrosoft 365を拡販 2020年に売上倍増目指す
2017年11月14日 06:00
リコージャパン株式会社と日本マイクロソフト株式会社は13日、中堅・中小企業の働き方改革を支援するための新施策をスタートする。
日本マイクロソフトの「Microsoft 365 Business」を中核として、重点7業種にフォーカスし、クラウドサービス基盤の導入・構築から活用促進、管理、運用支援までを共同で展開する。
これにより、2016年度は180億円だった、リコージャパンのマイクロソフト関連ビジネスの売上を、2020年には365億円とすることを目指す。
リコージャパンの取締役 専務執行役員 ICT事業本部 事業本部長の窪田大介氏は、「リコーMicrosoft支援センターを構築し、センターサービスからお客さまを支援するとともに、他社にはできない訪問サービスの連携で、お客さまの働き方改革を支えていく。お客さま側に情報システム部門がなくても、1人体制の情報システム部門であっても、提案支援から導入支援、ヘルプデスク、運用代行とお客さまをサポートしていく。訪問サービスでは、5300人の営業、4700人のカスタマーエンジニア、1200人のシステムエンジニアに加え、Microsoft365のキーマン1000人をアサインし、対応していく」と、体制を整えて事業を進めていると説明した。
年商規模で300億円以下の中堅・中小企業をターゲット
リコーグループでは、ワールドワイドで従来利用していた「Notes」をOffice 365に切り替えた。「Windows 10搭載タブレットを同時に導入し、当社自身が働き方改革を実践するための取り組みを進めている。自分たちが働き方改革を進める中で獲得したノウハウを、お客さまにも提供していく」(窪田氏)ことを表明している。
リコージャパンは、リコーの国内での販売を担当する企業で、全都道府県に支社を持っていることが特徴。大企業だけでなく、地方の企業にも販売を行う体制を持っている。
特に今回は、年商規模で300億円以下の中堅・中小企業をターゲットに、Microsoft 365 Businessを販売していく。
Microsoft 365 Businessは11月1日に発売されたパッケージサービスで、日本マイクロソフト 執行役員 常務 パートナー事業本部 事業本部長の高橋美波氏は「チーム力強化、社内データ保護、シンプルなIT管理、生産性向上と中堅中小企業の皆さまの働き方改革を支援するテクノロジーを搭載している」と説明。
その上で、「中堅・中小企業のIT化は、経営陣の認識、リソースの確保、大企業同様にサイバーセキュリティ上の脅威にさらされているが対応が後手に回っている、といった課題を抱えている。リコージャパンと当社のジョイントチームで、Microsoft 365を活用した、中堅・中小企業の働き方改革を支援していく」述べ、リコージャパンと日本マイクロソフトが共同で、中堅・中小企業向け販売を進めていく方針を示した。
リコージャパンでは中堅・中小企業が抱える課題として、Word、Excel、電子メール、会計ソフトに代表される経理業務ソフトは導入されているものの、グループウェア導入による社内コミュニケーション活性化が進んでいないことに着目。
働き方改革についても、「当社で調査を行ったところ、61%が働き方改革に取り組んでいないが、取り組みが必要だと認識している企業が76%と、必要と思いながら取り組めていない中堅・中小企業が多いことが明らかになった。取り組めていない理由としては、どこから取り組んでいいかわからない、推進できる人材がいないといった回答が多く、サポートさえすれば取り組みたいと考えている企業が多い」(窪田氏)とのことで、必要だと感じながら、実践が進まない実態が明らかになったという。
そこで今回の取り組みでは、リコーMicrosoft 365支援センターを通じて、提案から、導入、ヘルプデスク、運用代行とトータルで支援を行う。
「働き方改革の支援については、企業数が多いだけにコンサルティングを行っていくことは難しい。そこで当社がフォーカスする7つの業種に対し、共通する課題をパッケージ化して、そこから働き方改革を進めることを計画している。具体的な業種については、今後進行してから明らかにしたい」(窪田氏)と、働き方改革につながる提案をパッケージ化して提供する。
顧客との接点となるのが5000社を対象に実施する予定の働き方改革セミナーだ。地方にある企業では、Microsoft 365やクラウドに対する認知度が低いケースも多い。そこで先行して導入した企業の成功事例を紹介し、人手不足解消、コスト削減など、興味が高い話題をアピールしながら訴求を進めていく。
窪田氏はその具体例として、「リコーのインタラクティブ ホワイトボードとSkype(for Business)を使って、遠隔地にいる同士が共通の図面を見ながら、打ち合わせを行うことができる。これにより、これまでは出張して打ち合わせをする必要があったケースにおいて、出張する必要がなくなる。インタラクティブ ホワイトボードは5年前に発売した製品だが、こうしたメリットが理解され、昨年あたりから販売数が大きく伸びている」と説明した。
こうした提案を行うことで、「これまでの物売りから、お客さまが抱える課題を解決する提案を行うビジネスへの転身をはかる。2020年にはWindows 7のサポートが終了するが、早めに切り替えを呼びかけることも併せて行い、2020年にMicrosoft関連で365億円をリコージャパンで売り上げたい」(窪田氏)。