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NTTデータら4社がデータセンターの実証実験、空調設備の省エネ化と運用高度化を目指す

 株式会社NTTデータと株式会社NTTファシリティーズ、インテル株式会社、Future Facilities株式会社の4社は25日、NTTデータ所有の都内データセンターにおいて、空調設備の省エネルギー化と運用高度化を目指した実証実験を開始すると発表した。期間は、2017年10月下旬から2018年3月下旬まで。

 これまでのデータセンターでは、システム運用などのICT機器の領域と、電源や空調などの設備(ファシリティ)の領域がそれぞれ独立しており、個別に最適な保守・運用を実施していることが多かったという。

 このため、データセンター内のエアフロー阻害などに伴うホットスポット(熱溜り)の発生、過冷却によるエネルギー消費量の増加などを招き、結果として非効率な運用となっている例が少なくないとのこと。

 そこで4社では今回、データセンターの空調運転制御に着目した実証実験を行い、ICT機器から設備までを含めた連携制御で全体最適化を実現することにより、品質向上やコスト低減(エネルギー・運用コスト)を図るとした。

 実験では、データセンター内の温度センサーだけでなく、ICT機器もIoTセンサーとして活用し、機器自体の温度や、CPU使用率、電力使用量といったデータを取得。それらの情報をAI技術で解析し、データセンターの空調最適制御の実用化を検証する。

 なお、NTTデータは自社データセンターにおいて、各社のソリューションを活用しながら実証実験環境を構築し、長年にわたる自社データセンターの構築運用経験で得られたファシリティとIT運用の知見・ノウハウを各社に提供。本実証実験のプロジェクトマネジメントを行う。

 またNTTファシリティーズは、データセンターの空調設備構築・運用に関する知見、ノウハウを提供するほか、AI技術によりデータセンター空調機の最適制御を行う「SmartDASH」を、マルチベンダー環境下でリアルタイムにICT機器の消費電力および温度データを収集可能な「インテル データセンター・マネージャー」と連携させ、空調制御の実用化について検証するとした。

 インテルは、データセンター・マネージャーSDKの提供と、Xeonファミリーで利用可能な、インテル ノード・マネージャーを含むテクニカルサポートを提供。Future Facilitiesは、データセンターの温熱環境をシミュレーション可能な、3次元熱・気流解析技術を活用したデータセンター運用ソリューション「6sigmaDCX」を提供する。

 4社による実証実験で得られた成果は、現在、NTTデータが建設中の「NTTDATA三鷹データセンターEAST」へ展開するとともに、同社が提供するADVANCED OUTSOURCINGサービスの拡大を図る考えだ。

NTTデータら4社がデータセンターの実証実験、空調設備の省エネ化と運用高度化を目指す ICT機器や設備の役割と関係性
ICT機器や設備の役割と関係性