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NEC通信システム、IoTデータを省電力・オンデマンドで収集する「NEC オンデマンド型無線ネットワーク」

 日本電気通信システム株式会社(以下、NEC通信システム)は19日、日本電気株式会社(以下、NEC)のIoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」のネットワーク機能を担う製品として、無線通信を使った独自の起動方式により、IoTデータを省電力かつ任意のタイミング(オンデマンド)で収集するシステム「NEC オンデマンド型無線ネットワーク」を発売した。

 システムは、センサー群を接続して920MHz帯の無線ネットワークで通信する「IoTデバイス」、IoTデバイスが収集したデータをサーバーに転送する「IoTゲートウェイ」、機器管理を行う「運用保守サーバー」の3つの要素から構成される。

システム構成図

 IoTデバイスは、通信機会が発生するまでは低消費電力で常時待ち受け、独自のフレーム長変調方式で実現した起動用の無線信号を受信した時のみ無線通信を行い、通信終了後は再度待機状態になる(ウェイクアップ方式)。要求があった時のみ動作することで、内蔵電池で約2年間の連続稼働(1日数回の通信の場合)を実現した。

 通信ケーブルや電源ケーブルの配線は不要となり、通信距離が長く広帯域通信が可能な920MHz帯Wi-SUN相当の無線通信を行うため、自由度の高い無線ネットワークが構築できる。運用保守サーバーから無線ネットワークの状況やIoTデバイスの電池残量が確認でき、適正なメンテナンス対応が可能なため、安定的なシステム運用が行える。

 即座にIoTデバイスをウェイクアップさせられるため、自動車や電車といった移動体からのデータ収集や、巡回中の点検者などが歩いて対象物に接近した際にデータ収集を行うといったことが可能。また、IoTデバイス間を無線のマルチホップで繋ぐことで、通信可能エリアを拡張し、最大20ホップの通信によるデータ収集が行える。

 こうした仕組みにより、電源ケーブルや通信ケーブルの敷設が困難な場所でも省電力で効率的なIoTデータの収集が実現でき、鉄道設備や電力設備などの社会インフラ領域の点検・監視や、プロセス工場や組立工場などのファクトリー領域の点検・監視向けのソリューションとして利用できるとしている。

 システムの価格は個別見積もり。NEC通信システムでは、関連SIなどを含めて今後3年間で累計約50億円の売上を目標とする。