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NEC、沖縄プロ野球キャンプの放送映像を用いてSDNを活用したIoT向けネットワーク制御の実証実験を実施

 日本電気株式会社(以下、NEC)は14日、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同で、沖縄プロ野球キャンプの放送映像を用いて、映像伝送装置や映像カメラなどのIoT端末にひも付いた属性情報や、ネットワークの通信(トラフィック)量に応じて、適切なネットワークを動的に構築・活用する実証実験を実施したと発表した。

 実験は、2月24日~26日にNICTの提供する研究・開発用ネットワークであるJGN、RISEを活用して実施。NICTが保有しているVPNルーター、SDNコントローラーやSDNスイッチを、東京と沖縄に配置したネットワーク環境を利用した。この環境に対して、NECは「IoTサービスイネーブラ」を提供している。

 SDNは、1つのネットワークを仮想的に複数のネットワークに分割することや、トラフィックを各ネットワークに振り分けることができる。IoTサービスイネーブラは、ネットワークのトラフィックの状況を把握するとともに、状況に合わせて、適切な機能を持ったネットワークにトラフィックを振り分ける基準を動的に変更できる。これらの組み合わせにより、サービスの要件に応じて通信帯域やネットワークの処理能力などのリソースを効率的に活用でき、サービス品質の向上やネットワークの運用コストを低減できるとしている。

 実験ではプラチナ、ゴールド、シルバーの3つの属性情報と、トラフィック状況をリアルタイムに監視。通信帯域や処理能力などが異なる複数の仮想ネットワークを構築・展開することで、沖縄プロ野球キャンプの放送映像を、属性情報とトラフィック状況に合わせて適切な仮想ネットワークに振り分けて伝送することに成功した。

 NECでは、今回の実証実験での実績を活かし、IoTサービスイネーブラやvCPEをはじめとした通信ソフトウェア、ネットワーク仮想化ソリューションを国内外に拡販していくことで、SDN/NFV(ネットワーク機能の仮想化)適用を推進し、通信事業者の高度な通信サービスの実現に貢献していくとしている。