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AIサーバーの効率的な冷却を実現する「AImod」、IIJ、PFN、JAISTが共同で実証

発表会レポート

 IIJは3月23日、同社白井データセンターキャンパス(DCC白井)内に設置したAImodの見学会を実施し、Preferred Networks(以下、PFN)、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)と共同で実施している「超高効率AI計算基盤の研究開発」の進捗について説明した。

(左から)IIJ 常務執行役員 ネットワークサービス事業本部長 山井美和氏、PFN AIコンピューティング事業本部コンピューティングイノベーション部 部長 浅井大史氏、北陸先端科学技術大学院大学 宇多 仁氏

 このプロジェクトはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業で、PFNが高効率AIアクセラレーターと制御技術を、IIJが高密度データセンター基盤技術を研究開発し、PFN・IIJ・JAISTが商用AI基盤のマルチテナンシー運用とワークロード効率化に共同で取り組む。

 IIJでは、2025年7月にIIJ松江データセンターパークで超高効率AIアクセラレーターシステムの試験稼働を行っている。この時は、空冷サーバールーム内に短期間で導入できるAALC(Air Assisted Liquid Cooling)を導入し、空冷空調技術と水冷技術を組み合わせたハイブリッド冷却方式の環境を試作した。今回は、白井DCCの敷地内にチラーを含む冷却システム全体を構築したテストベッドとなっている。

 2026年4月から本格稼働を開始し、エネルギー効率や経済性を備えた大規模AI計算基盤のデータセンターリファレンスモデルの開発を目指している。

AImodの概要

 チラーはフリークーリングとコンプレッサーを組み合わせたもので、外気温度に応じてフリークーリングのみからハイブリッド、コンプレッサーのみまで調整できる。また、冷却水の温度は5℃から35℃まで設定可能で、さまざまな温度の冷却水でテストできるようになっている。

チラー(IIJ提供)

 AImod本体は、受電設備のキュービクルをベースにしたモジュール筐体で、空冷用配管が天井側に、水冷用配管が床下側に配置されている。テストベッドではラック間にInRowの空調機が入っており、サーバーの吸気側と排気側はコンテインメントされている。

AImod外観(IIJ提供)

 チラーで作られた冷水が空冷用と水冷用に分岐した後、水冷の一次冷却水はブリードインポンプによって温度調整される。コールドプレートを冷やすには、30℃前後の温度で十分だとされており、温度が低すぎると逆に結露などのトラブルにつながりかねない。このため、CDUから高温になった冷却水を引き入れ、混合して適切な温度にしてCDUに戻すという工夫だ。これは、外気を使った空調で、外が寒すぎる時にサーバーの排熱と混合して調整するのと同じ考え方で、IIJにとってはお手の物と言える。

AImod概要

 サーバーは5ラック設置されているが、うち1ラックはGPUサーバー、残り4ラックはPFNのアクセラレーター「MN-Core」を用いたもの。各ラックあたり消費電力は、GPUサーバーが80kW、MN-Coreを使ったサーバーが36kWとのことで、消費電力抑制のためのアクセラレーター使用に期待が持てる。ちなみに、ネットワーク機器はラック当たり12kWだそうだ。

AImod内サーバーラック(IIJ提供)