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スマホの生体認証センサーで宅配ボックスを解錠、富士通研究所がFIDO応用の新技術

認証の経路

 株式会社富士通研究所は16日、IoT機器向けのセキュリティ技術を新たに開発したと発表した。ID・パスワードを使わず、スマートフォンに内蔵される生体認証機能および近距離無線通信機能を組み合わせることで、安全性と簡便性の両立を図ったのが特徴。今後の実用化を目指す。

 今回発表した新技術は、FIDO技術を応用したもの。認証のための生体情報をインターネットへ送出することなく、スマートフォン側で処理する。また、生体認証のためのセンサーやチップをIoT機器側に搭載する必要がない。

 新技術では、生体認証対応のスマートフォンを所持するユーザーがIoT機器に近接し、安全な通信経路を無線で一時的に確立させる。この状態でユーザーはスマートフォンで生体認証を行い、その証明書をFIDOプロトコルでIoT機器および連携クラウドサービスへ送る。この際、「対象となるモノの前に本人がいるか」も同時に検証される。

 富士通研究所では技術の応用例として、宅配ボックスの解錠、セキュリティルームの入退室などを挙げている。また、業務用車両・シェアードカー関連では、ロック解錠に加え、運転者に応じてカーナビ設定を変更するといったことも可能という。

 3月7日~10日開催の第33回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2017」では新技術のデモが行われる予定。今後、富士通研究所では検証を進めるとともに、富士通株式会社の「FUJITSU IoT Solution 生体センサー認証ソリューション オンライン生体認証サービス」を拡張するための技術として、実用化を目指す。

新技術の利用イメージ