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テプコシステムズ、新システムのログイン認証に富士通の「オンライン生体認証サービス」を採用

 富士通株式会社は4日、株式会社テプコシステムズが開発した、東京電力管内の電柱保守業務を効率化する新システムにおいて、富士通の「FUJITSU IoT Solution 生体センサー認証ソリューション オンライン生体認証サービス」(以下、オンライン生体認証サービス)が採用されたと発表した。

 新システムは、電柱保守業務を行う東京電力パワーグリッド株式会社の業務効率化と、地域の安全を確保することを目的として、住民の協力のもとで運用するもの。地域住民がは、電柱の異常を見つけた際、東京電力のWebサイト経由で電柱の異常を知らせる写真を投稿することができる。東京電力パワーグリッドの作業員は、その画像を参照することで、現場に駆け付ける前に状況を把握できるため、より迅速な対応が可能になるとのこと。

 今回は、保守作業員が業務用PCやスマートフォンから新システムにログインする際の認証に、富士通の「オンライン生体認証サービス」が採用され、本人認証の利便性を高めるとともに、業務効率の向上と強固なセキュリティを実現した。

 こうしたシステムへのログインは認証システムで管理されるが、従来のID・パスワードに代わるセキュリティ強化の手段として、生体認証が注目されるようになった。しかし、認証基盤システムの改修には、コスト面に加え、セキュリティ要件の洗い出しやシステム構築期間の確保などが必要となってくるとのことで、東京電力パワーグリッドでも、新システム導入検討時には同様の課題に直面した。

 しかし、オンライン認証規格「FIDO」準拠の生体認証を導入する際に必要となるサーバーやソフトウェアなどを提供する、富士通の「オンライン生体認証サービス」の導入と、生体認証機能を備えた会社支給の既存スマートフォンを活用することで、新システムの立ち上げを短期間で実現したとのこと。

 具体的には、業務用PCへログインする際の本人認証が必要なときに、PC画面に表示されたQRコードをスマートフォンのアプリケーションで読み込むことで、業務用PCとスマートフォンをひも付ける。そして、スマートフォンに格納されている生体情報を利用してFIDO認証を行い、セキュアなアクセスを実現しているとした。

 また現場にいる保守作業員も、スマートフォンからFIDO認証を通してシステムにアクセスし、状況確認できるとのこと。

 なお富士通では、テプコシステムズが展開する新システムにおいて、FIDO認証に必要となるサーバーおよびソフトウェアをクラウド環境で提供するとともに、クライアントアプリ開発支援サービスも提供したとしている。