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ユニアデックス、学校向け「クラウド型パソコン教室サービス」販売開始

 ユニアデックス株式会社は27日、学校向けに仮想デスクトップ環境をクラウドサービスで提供する「クラウド型パソコン教室サービス」の販売を開始した。

 「クラウド型パソコン教室サービス」は、学校外のデータセンターで運用するクラウド上に、仮想的なパソコン教室の機能を搭載。クラウド上に環境を構築するため、専用のパソコン教室は撤廃でき、パソコンの故障やソフトウェアメンテナンスなどを対応する専任のITスタッフも不要になる。

「クラウド型パソコン教室サービス」の概要

 授業や自習においては、学生個人が所有する端末(ノートPC、タブレット端末など)が利用でき、学生は個人所有の端末からウェブブラウザーを用いて仮想デスクトップにログインするだけで、学内のどの教室からでも授業などで利用するソフトウェアが搭載されたデスクトップ環境をセキュアに利用できる。

 教員は、場所が限られた従来型のパソコン教室にとらわれず、一般教室においてもパソコンを用いた授業が開催でき、授業で使わない時間帯は「自習用デスクトップ」として開放し、場所を問わず利用を促進するなど、従来の机を並べた講義型教室での教育から、グループ学習型教室へ学習環境の改革が実現できるとしている。

 料金は、仮想的に同時利用するパソコン台数(仮想デスクトップ台数)に応じた月額制で、利用者数に限らず月額定額でサービスを利用できる。500台の仮想パソコン教室の場合、1台あたりの料金は月額8500円(税別)から。回線料金や搭載するソフトウエア費用などは別途必要。

 ユニアデックスでは、これまで大学などでは専用のパソコン教室を整備してきたため、数百台から千台を超えるパソコンを所有している場合も少なくなく、運用維持費や最新モデルへの入れ替えコストの増加が深刻な課題となりつつあると説明。一方、学生個人が所有するパソコンやタブレット端末は高機能化が進み、大学では個人所有の持ち込み端末の利用を許可するBYOD(Bring Your Own Device)の採用が注目されつつあるが、セキュリティ対策やOSの多様化による制約などの問題から、導入が進みにくい現状があるとしている。

 今回提供を開始する「クラウド型パソコン教室サービス」は、すでに2016年4月から東京農工大学で稼働しており、学内にあった約500台規模のパソコン教室を撤廃、学生全員が個人所有のパソコンを使って、仮想デスクトップにログインし、授業や自習で利用されている。

 ユニアデックスでは、今後、小中学校や高校では、プログラミング学習などパソコンを使った授業の増加が予想されており、今回のサービスを活用することで、設備投資を抑えて迅速に対応することが可能になると説明。サービスを大学や学校向けに販売し、今後3年間で20億円の売上を目指す。