インタビュー
SupermicroのNVIDIA HGX-2採用サーバー「SYS-X029GP-TNVRT」が提供する価値とは?
2018年9月19日 06:00
Supermicroは、9月13日~14日に開催されたNVIDIAのイベント「GTC Japan 2018」において、NVIDIA HGX-2プラットフォームを採用したサーバー「SYS-X029GP-TNVRT」の実機ボードを展示した。
5月に表明されたHGX-2採用を受け開発された実機で、ブースのスタッフによると「ほかのサーバーベンダーに先駆けて、HGX-2採用サーバーの実機を展示した。発売については数カ月以内に発表する」という。
なおSYS-X029GP-TNVRTは、NVIDIA Tesla V100を16個搭載し、NVSwitchで相互接続するマシン。2ペタFLOPSのパフォーマンスを出すという。
今回クラウド Watchでは、GTC Japan 2018での講演のために来日した、SupermicroのTau Leng氏(テクノロジー担当バイスプレジデント)に、SYS-X029GP-TNVRTや同社のGPUサーバーについて聞いた。
SYS-X029GP-TNVRTは“世界一パワフルなマシン”
――まずは、SYS-X029GP-TNVRTについて教えてください。
NVIDIA Tesla V100を16搭載してNVSwitchで接続した、世界一パワフルなマシンです。
NVMeフラッシュも搭載。アドオンボードでGPUを追加でき、8つのInfiniBandでスケールアウトできます。
――これは、どこで使われる製品なのでしょうか。
機械学習のトレーニングではコンピューティング能力が問われます。そのため、データセンターでは大きなスペースと電力を必要としていますが、SYS-X029GP-TNVRTを採用することによって、スペースや電力を削減しつつ、高いパフォーマンスを発揮できます。
ユースケースは機械学習だけではありません。例えばHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)なども対象です。
――では、この製品は、機械学習などを実行する企業内において、プライベートクラウドなどの形で導入されるものでしょうか。それとも、パブリッククラウドでサービスとして提供されるものでしょうか。
両方ともあります。パブリッククラウドでは、機械学習やAI、HPCをサービスとして提供することが増えています。
その一方で、パブリッククラウドには出せないセンシティブなデータについては、プライベートクラウドにもポテンシャルがあります。例えば自動運転車を研究するメーカーなどです。
すべてのセグメントに対応できるのがSupermicroの強み
――Supermicroは、2017年第3四半期のサーバーのマーケットシェアで同率3位というIDCの調査結果がありました。どのようなことがポイントとなって使われているのでしょうか。
Supermicroはプロダクトポートフォリオが広く、すべてのセグメントに対応できるのが特長です。エンタープライズからプライベートクラウド、パブリッククラウドまで、幅広く対応しています。
こうした幅広い対応を可能にしているのは、サーバーの各機能をビルディングブロック化している設計です。これらのビルディングブロックを組み合わせることで、さまざまに構成を変えられます。
――その中で、SYS-X029GP-TNVRTやGPUサーバーの位置づけは?
YS-X029GP-TNVRTはハイエンドの製品です。GPUサーバーも幅広く、1Uサイズのものからありますし、ローエンドからハイエンドまで製品があります。
ハイエンドのサーバーはニッチです。必要とする企業があれば出荷しますが、数が出るものではなく、そのぶん単価が高い製品です。
GPUの勢いは、AIや機械学習により成長を続けています。これからほかの企業も参入するでしょうが、NVIDIAは当面は業界のリーダーだと考えています。SupermicroはNVIDIAと緊密な関係にあり、これからも共に取り組んでいきます。