【ITpro EXPO会場レポート】ニフティ、日商エレ、ユニアデックス、ウェブテクノロジなどの最新クラウドソリューション


 日経BP社が主催するエンタープライズICTのイベント「ITpro EXPO 2012」が、10月10日から12日までから東京ビッグサイトで開催された。

 展示会場では、併催である「Cloud Days Tokyo 2012秋」「ビッグデータ EXPO 2012秋」「スマートフォン&タブレット2012秋」「Security 2012」「モバイル&ソーシャルEXPO 2012」などと一体となって、各社のソリューションが並んだ。

 

ニフティクラウド、業務システム向けの機能強化を紹介

 ニフティクラウドのブースでは、会場中央側に向いた入り口部分に新機能を紹介するコーナーを設けていた。

 まず、9月19日に開始された、リージョン(東日本と西日本のデータセンターを選べる)とゾーン(リージョンの中でシステムの系統を選べる)の説明が展示。同じく19日に開始した、ニフティクラウドの中でプライベートなネットワークを構築したり、それをオンプレミスと結んだりできる「セキュアネットワーク」も説明されていた。さらに、9月1日に行われた基本料金の変更や、いくつかのオプションサービスの無料化なども展示されていた。

 ブースでの説明によると、ニフティクラウドが2010年に開始したころはソーシャルゲームなどが中心だったが、最近はECサイトや業務システムなどでの利用も伸びているとのこと。リージョンやゾーン、セキュアネットワーク、Red Hat Enterprise Linuxのサブスクリプション提供などはそれに向けた整備という。10月9日には、ニフティクラウドのIaaS上でサードパーティ企業が提供するサービスをニフティクラウドが代理店のように一括して販売する「ニフティクラウド ソリューションサービス」を開始。まずL7ロードバランサーとWebアプリケーションファイアウォールが提供されるほか、ニフティクラウド自身も顧客管理や認証を提供していく考えという。

 一方、7月に正式スタートした、個人やスタートアップに向けたPaaSサービス「C4SA」についても展示された。1つのアプリケーション環境を「キャンパス」として、1キャンパス月額945円で提供。PHPやRubyなどの言語を選んで開発でき、WebアプリケーションフレームワークやCMSなどのコンポーネントも用意されている。

新機能コーナーでの「リージョン/ゾーン」の紹介ニフティクラウドの管理画面でリージョンを選ぶ
新機能コーナーでの「セキュアネットワーク」の紹介ニフティクラウドの管理画面でセキュアネットワークを設定
PaaS「C4SA」のコンソール画面C4SAで言語やコンポーネントを選ぶ

 

日商エレクトロニクス、VDIやIaaSのパッケージを展示

 日商エレクトロニクスのブースでは、事前検証済みのオープンなクラウドパッケージブランド「Nissho-Blocks」を展示していた。

 「Nissho-Blocks」は、サーバーやストレージ、ネットワーク装置、ハイパーバイザー、基盤ソフトウェア、管理ツールなどを、規模ごとに組み合わせて提供する。それにより、構築のベストプラクティスとスピードを実現するという。

 現在、仮想デスクトップのための「Nissho-Blocks for VDI」と、プライベートクラウドのための「Nissho-Blocks for IaaS」の2種類を提供。将来は「for BCP」なども計画しているという。

 Nissho-Blocks for VDIではパフォーマンス管理ソフトウェアとして「Liquidware Labs Stratusphare」を、Nissho-Blocks for IaaSではクラウド管理ソフトウェアとして「Citrix CloudPlatform」を採用し、それを核として管理するようになっている。ブースでは、Nissho-Blocks for IaaSによって、通常で半年ぐらいかかる案件が、3回の打ち合わせで決まったという同社自身の事例なども説明された。

 ブースではそのほか、VDIソリューションの一環として、NComputing社のコンパクトなシンクライアントも参考出展されていた。SoCベースで作られており、低価格で販売する予定だという。

Nissho-Blocks for VDIの説明Nissho-Blocks for IaaSの説明
VDIのパフォーマンス管理ソフトウェア「Liquidware Labs Stratusphare」。I/Oやメモリなど性能のボトルネックをユーザーごとに分析できる。物理クライアントを仮想環境に以降する際のサイジング診断も
クラウド管理ソフトウェア「Citrix CloudPlatform」。Webの画面から、パブリッククラウドと同じような操作で仮想サーバーを作成して払い出せるNComputing社のシンクライアント。参考出展で、日商エレクトロニクスから発売予定

ユニアデックスのステージにR2-D2が登場

 ユニアデックスのブースでは、「スター・ウォーズ」のキャラクター「R2-D2」がステージに登場し、観客を集めた。説明によると、このR2-D2は本物だという。

 これは同社のシステム保守サポートサービス「IP&A」を紹介するミニセミナーでのできごと。エバンジェリスト高橋優亮氏と掛け合いの形で(R2-D2は人間の言葉を話さないが)、IP&Aを紹介した。

 なお、IP&Aは「Impact analysis(インパクト分析)」「Proactive Advice(予防保全対応)」「Advanced Optimization for Workflow(継続的な運用業務改善)」の略。「ICTにフォースを」をキャッチフレーズに、未来の障害を予見し(ヨーダのように)、顧客企業を分析して的確なアドバイスを提案して(R2-D2のように)、システム障害を防ぐ、というメッセージとのことだ。

 ブースではほかに、Citrixのプライベートクラウド管理ソフト「CloudPlatform」なども展示。CloudPlatformでは、複数のベンダーのハイパーバイザーにわたって、仮想マシンのインスタンスを簡単に作成し管理できるという。

エバンジェリスト高橋優亮氏とR2-D2の掛け合いで、システム保守サポートサービス「IP&A」を紹介IP&Aのキャッチフレーズ「ICTにフォースを」
Citrixのプライベートクラウド管理ソフト「CloudPlatform」CloudPlatformで仮想マシンのインスタンスを作成

 

HTML5で操作性を一新したdesknet's NEO

 ネオジャパンのブースでは、グループウェア「desknet's」の最新版である「desknet's NEO」を全面にわたって展示していた。12月発売予定。

 desknet's NEOでは、Web画面にHTML5の技術を採用し、ドラッグによる移動やファイルのドラッグ&ドロップなど、OS上のアプリケーションのような操作性を導入した。これにより、メールの操作性を改善したほか、グループウェアの画面に付せんを張る機能なども実現した。プロジェクト管理でも、進ちょくの確認や予定変更などがスムーズにできるようになった。

 新機能としては、ソーシャル機能「ネオツイ」によって、新着情報やつぶやきをリアルタイムに表示できる。また、安否確認機能では、メンバーの安否をオンラインで入力するほか、避難経路なども表示できる。

HTML5によりメールなどの操作性を改善新着やつぶやきをリアルタイムに表示
付せんを張る機能プロジェクト管理
アンケートの書式を項目のドラッグ&ドロップで編集安否確認機能

 

スマートフォンやクラウドなど各社の展示が並ぶ

 そのほか、展示会場全体で、クラウド、ビッグデータ、モバイルなどさまざまな展示が並んだ。

PC向けサイトからスマートフォン向けサイトに変換するシンメトリックの「GeneCode」。WebのUI上で、元のサイトの画面要素を選択し、画面右のテンプレートに追加することで、変換ルールを生成する。そのルールにより、プロキシサーバーでコンテンツを変換するスマートフォン向けサイトを従来型携帯向けに同じレイアウトで変換するシンメトリックの「roundabout」
雲屋のブースで展示された、SaaS型Webアプリケーションファイアウォール「XyberShield」(画面右下)と、データベースのロードバランサー「ScaleArc」(画面左上)IxiaのOpenFlowテストソリューション。OpenFlowのコントローラと、接続する機器の両方をエミュレートし、大量のフロー情報と大量のトラフィックの試験をする
ウェブテクノロジのASPサービス「OPTPiXライブ壁紙メーカー」(左)と、ゲームエンジンUnityの形式などにも対応した画像圧縮ツール「OPTPiX imesta 7 for mobile & social」(右)
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