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「RED HAT FORUM」を包んだ熱気、レッドハットの勢い (カスタマーアワードに選出された4社が登壇)
(2014/10/15 06:00)
カスタマーアワードに選出された4社が登壇
基調講演では「エグゼクティブセッション」の枠が設けられ、レッドハット製品を活用したユーザー企業を選ぶ「Red Hat Customer Award 2014」が発表された。「Best Cloud Service Provider」ではNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)が、「Best Data Center Modernization」では全日本空輸株式会社(ANA)が、「Best Mission Critical Platform」では中部電力株式会社が、「Best Middleware Implementation」では日本航空株式会社(JAL)が、「Best Middleware Stragety」では日産自動車株式会社(日産)が受賞した。
受賞各社による事例紹介の講演も行なわれた。また、1社ずつ、日経BP イノベーションICT研究所 所長の桔梗原富夫氏をモデレーターに、廣川裕司氏をまじえた対談も開かれた。
ANAの幸重孝典氏は、新しいデータセンターにRed Hat技術ベースで共通のプライベートクラウド基盤を構築し、これから4年かけて、全160システムのほとんどを移していくと語った。特に旅客システムは数十年前に作られたシステムのため、国内旅客システムはオープン化して2月にプライベートクラウドに移行し、国際線旅客システムは航空業界のコミュニティクラウドに来年春に移行するという。
NTT Comの田中基夫氏は、2010年という早い時期にKVMを使ったクラウドサービスを「Bizホスティング」ブランドで開始したことを紹介した。また、2011年にはGlusterFSを使った分散ファイルサーバーを開始。OpenStackにもコントリビュートし、OpenStack+KVM+SDNを用いたパブリッククラウドサービスも提供している。
中部電力の野村武氏は、原発停止によるコストカットのために、ITコストもドラスティックに下げることを求められたという。そこで、コストがかかっている箇所を調査し、ホストやミドルウェアであると判断。RHELとOSSで共通インフラを構築した。現在では2016年の電力全面自由化が迫っており、共通インフラを駆使して業界変革のスピードに追従していくという。
JALの荘司敏博氏は、ANAと同様に数十年前に作られ乱立したシステムを、新しいインフラに移行したことを紹介した。プライベートクラウドを構築してサーバーを統合し、RHELやJBossをベースとしたシステムに刷新。1年前にサービスインしたという。