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パロアルト、12月26日までオンラインイベント「Ignite '21 Japan」を開催中

自社のビジョンや製品の強みをアピール

 パロアルトネットワークス株式会社(以下、パロアルト)は10月1日から、オンラインイベント「Ignite '21 Japan」を開催している。12月26日までの約3カ月にわたり、400以上のコンテンツを順次追加し、自社のビジョンや製品を解説していく。

 基調講演では、パロアルト 代表取締役会長兼社長のアリイ・ヒロシ氏が、日本におけるビジネスアップデートについて説明した。働き方が大きく変わり、リモートアクセスが増加する環境に対し、「パロアルトではさまざまな製品を市場投入している。また、サイバーセキュリティのリーディングカンパニーとして、ホワイトペーパーなどを通じて情報共有していく」としている。

パロアルト 代表取締役会長兼社長 アリイ・ヒロシ氏

 アリイ氏は、「2023年までにエンドポイントの数が3倍に増えるとのデータもある。つまりサイバー攻撃のリスクも高まるということだ」と警告。セキュリティ脅威が高まる中で、国内250人以上の社員が顧客ニーズをサポートしているほか、去年はパートナー企業の1000人近いエンジニアに対し、無料でトレーニングを提供したという。

 「大切なのは、より安全で安心な世界を目指すというパロアルトのビジョン。当社ではゼロトラストセキュリティ戦略を推進し、顧客の変革をセキュリティ面から支えていきたい」とアリイ氏は述べた。

日本におけるビジネスアップデート
パロアルトネットワークスのビジョン

サービスとして機能を追加し、既存プラットフォームにも素早い提供を可能に

 パロアルトの提供するセキュリティソリューションについては、同社 技術本部 ソリューションアーキテクトの今岡誠氏が個別セッションにて解説している。

 今岡氏が最初に紹介したのは、次世代ファイアウォールの「Strata」だ。STRATAでは、物理アプライアンスのPA-Series、仮想ファイアウォールのVM-Series、コンテナファイアウォールのCN-Seriesをそろえている。

Strataの製品ラインアップ

 これらのプラットフォームを支えるセキュリティ機能は、サービスとして提供する。「パロアルトは、セキュリティ機能をクラウド型のサービスとして提供するというユニークなアプローチを採用している。サービスとして機能を追加することで、新機能を既存プラットフォームに素早く提供することが可能だ」と今岡氏は語る。

 また、「ファイアウォールの管理はPanoramaにて実現する」と今岡氏。「どこにどのようなファイアウォールを導入しても、当社のファイアウォールとサブスクリプションはすべてPanoramaで管理が可能だ。物理ファイアウォールのPA-Seriesで本社やデータセンターを守る場合でも、コンテナファイアウォールのCN-Seriesでパブリッククラウドやプライベートクラウドを守る場合でも、すべてのファイアウォールおけるロギング、レポーティング、ポリシー管理などがPanoramaに統合されている」とした。

巨大な次世代ファイアウォールとしても機能する「Prisma Access」

 次に今岡氏は、クラウドで提供するセキュアアクセスサービスエッジ(SASE)ソリューションの「Prisma Access」を紹介。Prisma Accessにより、支店やモバイルユーザーが、どこからでもデータセンターや本社にシームレスかつ安全にアクセスできるようになるという。

 Prisma Accessは「巨大な次世代ファイアウォールとしても機能する」と今岡氏。Prisma Access経由でインターネットに接続することで、すべての通信の可視化やセキュリティコントロールが可能だと説明する。

 またPrizma AccessにはSD-WAN機能も備わっていることから、「アプリケーションのエンドツーエンドのパフォーマンスを測定し、最適なパスを選択する。機械学習とデータサイエンスの技術を駆使し、問題回避が自動化されている」とした。

Prisma Accessの概要

効率性と可視性の双方を提供、さまざまな自動化機能も用意する

 さらに今岡氏は、検知レスポンスプラットフォームの「Cortex XDR」も紹介した。「これまでは製品別にセキュリティ情報が分断されていたため、情報が縦割りになってサイバーセキュリティチームのインシデント対応が遅れていた。Coretex XDRでは、ネットワーク、エンドポイント、クラウドにわたる詳細な情報を提供するほか、機械学習によってセキュリティ運用全体を最適化する」(今岡氏)。

 Cortexシリーズには、セキュリティオーケストレーションと自動化およびレスポンス(SOAR)プラットフォームの「Coretex XSOAR」も用意されている。Coretex XSOARにより、「ケース管理、リアルタイムコラボレーション、脅威インテリジェンス管理を統合し、セキュリティの自動化が実現する」という。

 また、アタックサーフェスマネジメントサービスとして「Coretex Expanse」も提供する。これは、インターネットにさらされている資産のセキュリティ脅威をリアルタイムに発見し記録するサービスだ。同サービスにより、「意図せずインターネットにさらされたシステムが発見できるほか、正規に公開されたシステムのセキュリティホールを、ほかの誰かに発見される前に自ら確認し対処できるようになる」(今岡氏)としている。

 今岡氏は、「パロアルトでは製品を統合しているため、顧客の既存環境に対しても容易に導入することが可能だ。セキュリティとビジネススピードはトレードオフの関係だと言われるが、当社の製品にはそのような心配はない。効率性と可視性の双方が提供でき、さまざまな自動化の仕組みも用意している」とアピールした。

パロアルトのセキュリティソリューションの全貌