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架空のスーパーを舞台に、Google Cloudのデータ関連サービスとインフラ機能を紹介

Anthosで仮想マシンをコンテナと同様に動かす新サービス「Anthos for VMs」など

 Google Cloudの年次カンファレンスイベント「Google Cloud Next '21」が、米国時間の10月12日から14日までオンラインで開催された。

 本記事では、架空のスーパーを舞台としたデモをレポートする。

データ関連の機能をライブでデモ

 1日目のセッション「Data Cloud Live Demo」では、架空のスーパーのデータ分析という設定で、「Evaluate」「Transform」「Scale」「Evolve」4分野でGoogle Cloudのデータ関連サービスを、ライブでデモした。

架空のスーパーのデータ分析という設定でデモ

 まずはEvaluate(リスクの評価)だ。Earth Engineを使い、米国の農耕地のデータや旱魃データをもとに、旱魃のリスクを調査してみせた。

Earth Engineを使って旱魃のリスクを調査

 次にTransform(データ変換)。新発表のSpark on Google Cloud(サーバレスSpark)を使い、EarthEngineのデータをBigQieryに変換するジョブを、自分でSparkクラスターを立てずに実行した。

サーバレスSParkを使ってデータを変換

 3つめのScale(スケーラビリティ)では、制限なしにスケールする分散リレーショナルデータベースCloud Spannerを紹介。そして、SpannerをPostgreSQLのインターフェイスで使う「Cloud Spanner PostgreSQL interface」について、PostgreSQLのコマンドラインクライアントのpsqlからSpannerに接続して利用するところをデモした。

Cloud Spanner PostgreSQL interfaceによりpsqlコマンドからSpannerを利用。テーブル定義でSpannerとPostgreSQLの両方が見える

 4つめのEvolve(発展)としては、データを分析して新しい知見を得たりリスク評価をしたりするところを、AIやビッグデータをノートブックから使う新発表のVertex AI Workbenchと、サーバレスSparkを使ってデモした。

 そのほか、非エンジニアがLookerを使って、既存のデータからリスク評価するところもデモした。

Virtex AI WorkbenchとサーバレスSpark
Lookerによるデータ分析

Anthos for VMs、Anthos Multi-Cloud API、Google Distributed Cloudもデモ

 2日目のセッション「Introducing Google Distributed Cloud」では、1日目のデモに引き続き架空のスーパーの設定で、アプリケーションをコンテナでデプロイする関連のGoogle Cloudのインフラ機能をライブでデモした。

 このセッションの中では、新発表の、Anthosで仮想マシンもコンテナと同様に動かす「Anthos for VMs」、Anthosでほかのパブリッククラウドを使う「Anthos Multi-Cloud API」、Google Cloudのサブセットをエッジで動かす「Google Distributed Cloud Edge」の説明やデモもなされた。

Anthos for VMs、Anthos Multi-Cloud API、Google Distributed Cloud Edgeの説明とデモも

既存のアプリをLift&Shift

 まず、オンプレミスの仮想マシン上で動くJavaのWebアプリケーションをコンテナに変換し、Cloud Runで動かす従来からのAnthosの機能をデモした。

 さらにGoogle Cloudを使った新しい機能を追加。VSCodeのCloud Code拡張機能でGoogle Cloudのサービスを参照できることや、CIサービスのCloud Buildでコンテナイメージを作成しコンテナレジストリに登録するところを説明した。さらにそのイメージ元に、最近登場したCDサービスのCloud Deployサービスを使って、コンテナをGKE Autopilotにデプロイするパイプラインを構築した。

仮想マシンをコンテナに変換する事前診断
仮想マシンから変換されたコンテナ
Cloud Buildでコンテナイメージを作成しコンテナレジストリに登録
Cloud Deployでコンテナをデプロイ

gloudコマンドでGKEクラスターをAzureにデプロイ

 続いて、新しいAnthos Multi-Cloud APIを使って、GKEクラスターをほかのクラウドにデプロイするところがデモされた。

 Google Cloudをコマンドラインから操作するgloucコマンドを使い、GKEクラスターをAzureにデプロイするところをデモ。デプロイしたクラスターは、Google CloudのAnthosのコンソールから一元的に管理できるところも見せた。

gloudコマンドでGKEクラスターをAzureにデプロイ
AnthosのコンソールからAzure上のクラスターも管理

Google Distributed Cloud EdgeのエッジにAIモデルをデプロイ

 新しいGoogle Distributed Cloud(Google Distributed Cloud Edge)については、国際的な小売チェーンで、小売店舗の駐車場のカメラ画像からAIでリアルタイムに自動車を抽出するシナリオで説明された。

 機械学習モデルは中央のクラウドでVertex AIを使って作成。そのモデルを、Vertex AIからエッジのGoogle Distributed Cloud Edgeにデプロイして、エッジ側で推論を実行するというものだ。管理も一元化されたコンソールでできる。

 これを見るかぎり、Google Distributed Cloud Edgeとは、汎用的なGoogle Cloudの機能をエッジで動かすものではなく、Google Cloudの特定の機能を使ったアプリケーションをエッジにデプロイできるようにするものと思われる。

Google Distributed Cloud Edge
説明のシナリオ。中央で作成したAIモデルを使ってエッジで推論を実行する
Vertex AIからエッジにモデルをデプロイできる
管理も中央のクラウドから一元的にできる

Anthos for VMsで仮想マシンもそのままAnthosに

 新しいAnthos for VMsを使うと、Anthos上でコンテナと同様に仮想マシンを実行し一元管理できるようになる。これにより、仮想マシンからコンテナへの移行が難しいワークロードを、変換なしでAnthosの環境に移行することができる。要素技術としてはKubeVirtが使われているという。

Anthos for VMs
Anthosで動いている仮想マシン