仮想化道場

転換期を迎える2014年のIntelのサーバー向けプロセッサ (さまざまなレイヤや用途でプロセッサを提供)

さまざまなレイヤや用途でプロセッサを提供

 Intelでは、Xeon、Xeon Phi、Atomなどのプロセッサをさまざまなレイヤや用途で利用できるようにしていく計画だ。汎用プロセッサのXeon、並列コンピューティングのXeon PhiなどをInfiniBandのファブリックとシリコンフォトニクスで接続し、データセンター全体としてx86ベースのコンピューティング環境を実現しようと考えている。

 NVIDIAやAMDは、X86やARMなどのプロセッサとGPUを組み合わせたヘテロジニアス・コンピューティングを計画しているが、IntelではX86をすべての領域に拡大していくことで、x86ベースのプログラム資産を生かしていこうと考えている。

 また、HPのMoonshotやAMDのSeaMicroなどで注目を浴びたMicroServer分野では、Atomプロセッサを利用していこうとしている。サーバー向けのAtomプロセッサとしては、次世代Atomアーキテクチャを採用したDenvertonが計画されている。Denvertonは、Airmontアーキテクチャを採用し、14nmプロセスで製造される。このため、若干スケジュールが遅れているようだ。リリースは2014年第4四半期もしくは、2015年に入ってしまうだろう。

 サーバー向けのAtomプロセッサは、MicroServer分野だけでなく、Software Defined Network(SDN)を実現するためのネットワークスイッチ、ストレージシステムなどに利用されるだろう。

クラウドの登場によりプロセッサの需要は高い成長を示す。今後もこの傾向は続く
Intelでは、エンタープライズ分野では、用途に合わせて、Itanium、Xeon、Xeon Phi、Core i5、Atomなどが利用される
ワークロードに合わせて、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのIntelのプロセッサが利用される。一部の企業には、Intelがプロセッサをカスタマイズして提供している。今後は、Rackscaleアーキテクチャに従ったデータセンターを構築していく

 Compute部分で大きなターニングポイントになるのが、EthernetやInfiniBandをプロセッサに統合する流れだ。特にInfiniBandに関しては、InfiniBandチップやカードを提供していたQlogicの資産を買収して、True Scaleファブリックと提供している。InfiniBandをプロセッサに統合することで、サーバー間を接続するファブリックとして使用していこうと考えているようだ。

 さらに、Intelが以前から研究・開発している、シリコンフォトニクスを使用したネットワークを2014年には提供する。2014年に製品化されるシリコンフォトニックのチップでは、100Gbpsのスピードを実現し、ケーブル長としては800メートルもの長距離をサポートする。

 シリコンフォトニクスを利用することで、サーバーラック内部やラック間のネットワークを高速化できるため、データセンター自体のパフォーマンスをアップすることが可能になるだろう。

今後重要になるのは、ファブリック、シリコンフォトニクス、非揮発性メモリだ
Intelでは、Ethernet、InfiniBandをプロセッサに統合していく予定
サーバー間やラック間のネットワークとしてシリコンフォトニクスを利用する。100Gbpsのスピードのケーブルを数百メートル延長できる

(山本 雅史)