仮想化道場

転換期を迎える2014年のIntelのサーバー向けプロセッサ (新世代のXeon E7が登場予定)

新世代のXeon E7が登場予定、Xeon E5の新バリエーションも

 サーバー向けのハイエンドプロセッサとしてリリースされているXeon E7シリーズでは、Ivy Bridge世代の新しいXeon E7(開発コード名:Ivy Bridge-EX)が2014年に登場する見込みだ。従来は2013年中のリリースが予定されていたが、スケジュールがスリップしたようで、間もなく登場するものと思われる。

 現行のXeon E7は、マイクロアーキテクチャがWestmere世代(製造プロセスは32nm)であり、メインストリームサーバー向けのXeon E5がIvy Bridge世代なのに対して、それよりも2世代古い。このため、企業の基幹システムサーバーを提供しているサーバーベンダーとしては、Ivy Bridge世代や、さらに新しい世代のプロセッサを待望していた。

 一方で、Xeon E5でも2014年に新ラインアップが発表されている。2013年には、メモリチャンネルを4本持つXeon E5-2600v2(主に2ソケット向け)シリーズと、Xeon E5-1600v2シリーズ(1ソケット向け)の、Ivy Bridge世代の2つのラインアップが登場しているが、これに加えて2014年1月には、メモリチャンネルが3本のXeon E5-2400v2シリーズが発表された。基本的には、Sandy Bridge世代だったXeon E5-2400シリーズのアップデート版となる。

 またXeon E5では、Ivy Bridge世代ではまだ提供されていないが、4ソケット向けのXeon E5-4600シリーズという製品も存在しているので、全部で4つのバリエーションが存在することになる。

 こういったラインアップになった背景には、Sandy Bridge世代の前にAMDのOpteronがシェアを伸ばしたため、それへの対抗ということがある。また前述したように、ハイエンドのXeon E7シリーズのリフレッシュがなかなか進まなかったことで、暫定的にXeon E5シリーズのラインアップを増やしたということもあるだろう。

 ただIntelの方針を見ていると、Haswell世代では少しラインアップが変更される可能性もあると考えている。

 Sandy Bridge世代とIvy Bridge世代とは、サーバーでも同じソケットが使用されていたため、サーバーベンダー側での対応もそれほど難しいものではなかった。一方、Haswell世代以降では、ソケットのピン数も変わるため、サーバーベンダーもHaswell世代への対応をあらためて進める必要がある。

 こうした状況を考慮すると、筆者個人としては、4種類のラインアップは種類が多すぎると思う。現状では、サーバー市場ではAMDのOpteronの影響力は大幅に小さくなり、ハイエンドのXeon E7シリーズもリフレッシュのめどがついた。こういったことを考えれば、Haswell世代のXeon E5ではラインアップが整理されると予測している。

 なお、実際にHaswell世代のXeon E5がリリースされるのは、2015年から2016年になるだろう。

(山本 雅史)