仮想化道場

ターニングポイントが感じられる2013年のIntelサーバープロセッサ (2013年の本命はIvyBridge-EP)

2013年の本命はIvyBridge-EP

 サーバーベンダーは、Haswell世代のXeon E3 1200 v3を積極的には採用していない。実際、Haswell世代になりCPUソケットが変わったため、サーバーの設計にはもう少し時間がかかるようだ。HPやDellなどの海外大手サーバーベンダーからも、6月末の時点では、Xeon E3 1200 v3ベースのサーバーはリリースされていない(Dellは、Xeon E3 1200 v3ベースのワークステーションをリリースしているし、国内ベンダーのNECは7月4日にサーバーを発表した)。

 Haswell世代のE3 1200 v3は、ノートPCやタブレットなどの領域にフォーカスを当てているため、サーバーなどの高い性能を必要とする分野で積極的にサポートしていく、という方針ではないのかもしれない。

 つまり、Haswell世代のプロセッサがデスクトップやサーバー領域でも魅力のある製品にならないと、ローエンドサーバーの分野でもなかなかサポートされないだろう。

 サーバー分野における2013年の本命は、秋ごろに発表される(9月に開催されるIntelの開発者セミナーIDF サンフランシスコで発表すると思われる)IvyBridge世代の2/4ソケットサーバープロセッサIvyBridge-EP(開発コード名)だろう。

 IvyBridge-EPは、昨年発売されたSandyBridge世代とソケット互換で、SandyBridge世代よりも低消費電力化されている。このため、IvyBridge-EPシリーズが発表されれば、のきなみサーバーはIvyBridge世代に変わっていくだろう。

 Intelでは、IvyBridge世代のXeon E5シリーズでも、4ソケットのXeon E5-4000シリーズ、2ソケットのXeon E5-2000シリーズ、1ソケットのXeon E5-1000シリーズの3つのプロセッサをリリースする予定だ。

 コア数に関しては、先日、アップル社の開発者セミナーWWDCにおいて、新しいMacProが新しいIntel Xeon E5を採用することが発表されている。このプロセッサが12コアをサポートするとされているため、IvyBridge世代のXeon E5シリーズの最上位プロセッサは12コア/24スレッドになる模様だ。

 さらに、今年に間に合うかどうか分からないが、Xeonシリーズにおいて最もハイエンドのE7シリーズでも、IvyBridge世代の製品がリリースされる。コア数に関しては、15コアとか、16コアとかうわさされているが、まだどのくらいのコア数になるのかは不明だ。ただ、Westmere世代のE7シリーズから考えれば、製造プロセスが22nmになり、大幅にコア数を増やすことができるだろう。

IvyBridge-EXベースのXeon E7シリーズは、2013年の年末ごろにリリースするとされている。今までの3倍のメモリが搭載できるし、CPUコア数も現在のXeon E7から増える
IvyBridge-EPベースのXeon E5シリーズは、9月ごろにリリースされる。コア数は、最大12コアになる模様だ
Intelでは、Tick Tock戦略に従い2年ごとに製造プロセスを微細化していくが、14nmまではめどは立っているが、10nm以降は技術的な壁も高くなり、開発・生産コストも大幅に増加する。将来的には、1社で先進プロセスを開発するのではなく、半導体業界全体で開発する必要が出るかもしれない

(山本 雅史)