大河原克行のクローズアップ!エンタープライズ
富士通エフサスが非ICT領域を攻める理由とは?~今井社長に新たな事業への挑戦を聞く (柔軟にコミュニケーションを行える場に)
(2013/10/11 06:00)
柔軟にコミュニケーションを行える場に
Fureken Labと連結するCamping studioは、みなとみらい Innovation & Future Centerのメイン施設となる。
スライディングウォールによって自在にレイアウト可能な空間とステージを備え、大規模セミナーやワークショップなどの多彩なイベントにも対応。さらに、併設しているキッチンやカウンターを利用したパーティーなどの開催も可能だ。
デッキに用意したステージは、通常はソファを置いたリラックスできるゾーンとなっており、横浜の港を見ながら意見交換やコミュニケーションを図ることもできる。
また、10階の「Studio“TOPOS”(スタジオ・トポス)」では、4室のブレークアウトルームを利用した集中討議や、ステージを利用した多彩な活動が可能となっている。
TOPOSは、古代ギリシャ語で「場」を意味する言葉で、「集中と分散、集中とくつろぎ、共創を促す機能的空間。グループディスカッションを行ったり、それを発表し、意見を共有するといった場合には最適な空間だろう。新人研修にも積極的に活用している」(今井社長)とする。
一方で、みなとみらい Innovation & Future Centerの9階入り口は、Dialog Parkとして、デジタルサイネージを設置したステージを用意。「来訪者を非日常的空間に誘うウェルカムゾーン」と位置づけた。そのほか、みなとみらい Innovation & Future Center内の通路は、Reflecting Path(思索の小道)やCreating Path(創造の小道)と呼ばれ、来訪者同士の緩やかな対話を生む空間としている。
「通路は幅を広くとって、通路も対話の空間とした。場所によっては、ホワイトボードも用意しており、そこでより深い対話を行うことも可能になる」(今井社長)という。
フューチャーセンターとしての機能も持つ
Camping studioやStudio“TOPOS”などは、みなとみらい Innovation & Future Centerの役割である「研修センター」とともに、もうひとつの柱である「フューチャーセンター」としての役割を担うものになる。
フューチャーセンターとは、1990年代にスウェーデンで誕生した「対話を通じて豊かな未来を共創していくための場」で、企業や大学、行政といったさまざまな組織によって設立、運営されている。
日本でもフューチャーセンターの設立が進んでおり、東京にはクリエイティブ・シティ・コンソーシアムによるカタリストBA、横浜には、関内イノベーションイニシアティブによるmass × mass関内フューチャーセンターなどがある。
「所属する分野や専門性、年齢、地位などの垣根を越えて、多様な価値観、知識を持つ人々が集まり、豊かな未来に向けた対話が生まれ、新たな解決策を創造するのがフューチャーセンター。みなとみらい Innovation & Future Centerでは、社内、パートナー、お客さま、地域の方々などの対話を通じて、多様な人と、多様な知識をつなぐオープンイノベーションの役割を担うことになる」(今井社長)とする。
フューチャーセンターに関してノウハウを持つ、コクヨおよびコクヨファニチャーの協力により、オープンな対話とコラボレーションを促す空間にデザイン。さらに、多摩大学大学院の紺野登教授をエグゼクティブアドバイザーに迎えるなど、社外アドバイザーを登用。フューチャーセンター研究会と提携し、国内外のフューチャーセンターとの連携にも取り組む予定だ。