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「スーパーインテリジェンス」の実現を目指す Metaの新しい賭け
2025年7月7日 12:04
大きな賭け
Metaの人材引き抜きに対して、OpenAI側は不快感を隠さない。Wiredによると、Sam Altman氏は同じ6月30日の夕方、Slackで従業員に向けて「Metaは、いささか不快な行動をとっている。今後、状況はもっとクレイジーになるだろう」とコメントした。
また、「宣教師は傭兵に勝つ」と述べ、人類のためのミッションを掲げる自社は、カネで動く組織に勝つ、との姿勢を強調した。とはいえ、引き留めにも配慮しているようで、報酬制度の見直しに着手したとも述べている。
Metaは今年はじめ、AIインフラに600億ドルから650億ドルを投資する計画を発表した。これは自社資金によるものだが、6月末、これとは別に外部から約290億ドルの資金調達を計画しているとFinancial Timesなどが伝えている。
壮大な賭けに出たのだが、Metaの過去の大型投資には成果を出せなかった例がある。メタバース構想を担うReality Labs部門には、2020年以降600億ドル以上が投じられたが、損失が580億ドル(600億ドル超との報道もある)という惨憺たる状態だ。
AIの覇権を目指して巨額資金が動く中、Metaの新しい賭けは吉と出るのか――。