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2016年はVR時代が始まる? Oculusなど主要製品が発売に

端末販売台数は3年で10倍近くに?

 VRへの期待は大きいが、市場規模はどれくらいになるのだろうか? 昨年6月時点のCCS Insightの予想では、ARとVRの端末の販売数は、3年後の2018年には2400万台へと10倍近くに急増し、市場規模は40億ドルに。また、TIMEが紹介したMarkets and Marketsの予想では、アプリなども含めたVR市場規模は2020年に159億ドルに達するという。

 Retail Wireは、2016年のテクノロジー・メディア・通信業界のトレンドを予測したDeloitteの「TMT Predictions 2016」を紹介している。このレポートは「見本市や業界のカンファレンスでの熱狂がそのままマス市場の需要につながることはないだろう」と厳しい見方をしている。

 その理由として、(1)VR端末と連携する高性能のPCが必要であること、(2)「Google Glass」に代表される“スマートグラス”の失敗、(3)購入したいレベルの品質ではない可能性がある――の3つを挙げる。Deloitteの予想ではVR市場は2016年に10億ドルの大台に達するという。VRヘッドセットの販売数は250万台、ゲーム販売が1000万本と予想する。同時に、ユーザーの多くはコアなゲーム愛好家であり、たまにゲームを楽しむような人にはまだアピールしないと見る。

 ユーザー層の拡大は不可欠だ。現時点では熱心なゲーム愛好家がとびついているが、Oculus Riftなど2016年に登場するVRはゲーム愛好家を超えた層にアピールするのかが1つの注目ポイントとなっている。

 それに必要になるのがアプリ側だが、アプリ開発のコンサルサービスFjordは、2016年のトレンド予想でVRの台頭を挙げ、アプリ開発をスタートするよう奨励している。トレンド予想レポートを報じたTelegraphによると、「2016年は重要な年」と位置づけており、ゲームを超えて旅行、メディア、ヘルスケアなどさまざまな業界を変えるとしている。

 例えば、教育ではGoogleがCardboardを学校向けに提供するプログラムを開始している。企業では業務プロセスに影響すると見る。例として挙げているのがミーティングやコラボレーションで、AltspaceVRはVRを使って仮想スペースで人に会えるサービスを提供している。VRアプリ開発については、「VR技術を利用すれば、全体のユーザー体験や企業のプロセスがどうなるのかを想像しよう」というのがFjordのアドバイスだ。

(岡田陽子=Infostand)