Infostand海外ITトピックス

「Apple Music」発表、後発Appleは勝てるのか?

 Appleがついに音楽ストリーミングサービスに参入する。iPodとiTunes Storeで音楽産業に大きなインパクトを与え、デジタル端末とサービス分野に拡大したAppleだが、新たに発表したストリーミングサービスについては“二番煎じ”との声も聞かれる。それでも、その影響力は絶大だ。嵐を巻き起こすのだろうか――。

特徴は「人の手」

 Appleは6月8日、年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」で有料音楽ストリーミングサービス「Apple Music」を発表した。3000万曲以上のAppleの楽曲ライブラリを聞けて、その中にない楽曲がユーザーのライブラリにある場合は、自分のコレクションとしてクラウド上に保存してアクセスできるようにする。

 Apple Musicは、ストリーミングサービスに加え、インターネットラジオの「Beats 1」、音楽アーティストとファンが集まる交流サービス「Connect」の3つで構成される。対象端末はiPhone、iPad、iPod touch、Mac、そしてWindows PC上のiTunesだ。

 AppleがApple Musicでの大きな差別化とするのが、人の手によるキュレーションだ。プレイリストは、マシンで人工的に作成されるのではなく、人の手が加わることでアルゴリズムでは知り得ない楽曲の好みの関連性を提案でき、インターネットラジオも、世界的に著名なDJがプログラムを作成するという。

 Apple Musicはサブスクリプション方式で、料金は1ユーザー当たり月額9.99ドル。最大6人のファミリー向けは月額14.99ドル。6月末に米国など100カ国以上で提供を開始する。またストリーミングに対応するため、Appleはデータセンターのクラウドインフラを新しくしているという。

(岡田陽子=Infostand)