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IT運用への影響は? 17年ぶりの米政府機関の業務停止 (ITシステムは最小モードで運用中)

ITシステムは最小モードで運用中

 ITシステムはどうだろう。米国政府は世界で最大級のIT利用組織だ。All Things Digitalによると、2013年の米政府のIT予算は780億ドル。2011年の800億ドルから、やや縮小してはいるが、この規模のIT予算を持つ機関はなかなかほかにはない。各省庁のWebサイトは閉鎖、もしくは最小限のオペレーションとなったが、それぞれのCIOが決定したことだ。

 例えばFTCは6人に一時帰休を免除し、同じように稼働しているスタッフのITインフラの運用を続けたという。退役軍人省では8000人以上のITスタッフの4割に相当する3267人を免除扱いとし、ネットワークのメンテナンスや保護、情報セキュリティ、データセンターなどインフラ運用を任せているとComputerworldは伝えた。

 ブッシュ政権時に実質的CIOだったKaren Evans氏はIT関連の機能やサービスの中には閉鎖期間中も必要なものがあり、IT担当者は必須とみなされている、と内部事情を解説する。

 だが最小モードでの運用も長期化すればリスクが生ずる、とパデュー大学でコンピューターサイエンス教授のEugene Spafford氏は警告する。「数日であれば連邦政府の緊急時対応計画で十分だろう」としながら、システムを閉鎖してもパッチ適用、重要なアップグレードなどの重要な作業があり、閉鎖中にシステムを任されているスタッフには大きな課題だ、とSpafford氏はComputerworldに述べている。

 例えば、Microsoftの定例パッチリリースにあたる10月の第2火曜日まで閉鎖が続いた場合、IT担当者はてんてこ舞いになることも考えられたという。Evans氏も、IT担当者の不足はリスクになると見ている。

 Computerworldは、RSAの専門家の意見として、必須と見なされるIT担当者で十分だろうとしながら、スタッフの状態と優先順位から追加的な問題が発生する可能性、さらにはミスの可能性も高くなると指摘した。

(岡田陽子=Infostand)